テラーノベル
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本当に短い。1000文字程度しかない🍤🌵。
思い付きのぽっと出小説です。季節は大体どれでも合うかも。
🍤「ぐちーつ、ごめん!!俺が悪かった…」
2人以外にも多くの人がよく通る、駅近くの待ち合わせ場所。そこでは、拗ねたように静かに怒るぐちーつに、俺がひたすら謝るという構図ができていた。
🌵「…寝坊して?恋人との待ち合わせに1時間遅刻したこと??」
🍤「逆に今それ以外ありえないって…、ほんとにごめん、もうこれからはしない」
🌵「これからとかそういう話じゃないんだけど……」
ぐちーつが少し呆れながら座ったベンチに膝を置いて頬杖をつく。ああ、これはダメだ。完全に怒りきっている。言い訳する分だけ無駄、か。
🍤「…じゃあ、今日ぐちーつのいうことなんでも聞いてあげる。足りなかったらもっと増やすよ」
🌵「……別にいつも聞いてくれるじゃん」
確かに聞いてるかも。でもこういう問題でもないらしい。
配信している状態の彼からは想像できないが、根は優しいので許すことは許してくれる。ただ一度機嫌を損ねちゃうと難しい。怒ってるのも可愛いけどやっぱり仲良くしたいし、何より笑顔のほうが似合うから。と勝手に誰かに説明しながら、どこに気が障っちゃったのかを考える。
立ちっぱなしもしんどいしいったん座ろうと思い、ベンチに腰掛けた時。あちこちから流れる音楽や、他で盛り上がっている会話で消えてしまいそうな声でぐちーつが呟いた。
🌵「早起きして準備完璧に済ませてきたのが馬鹿みたいだな……」
理解出来たような出来ていないような、そんな混乱が頭を埋め尽くして数秒固まる。
ぐちーつは早起きして俺との予定のために完璧にしてくれていた。しかし、俺は前日に完璧にしようと思い、見事完璧に空回りしてしまった。
そんなことを一瞬で理解して思考が再び動き始めたころ、彼に対する愛情と申し訳なさが溢れ出し、姿勢の辛さや人目なんか頭の隅から消えた状態で彼に飛びついた。
🍤「ぐちーつ!!!!」
🌵「ちょ、ここ人…!!」
僅かに後退ったぐちーつの声でふと我に返って、埋めていた顔を起こす。ちらっと周囲を見れば、向こうもちらっと俺達の方を見ていたり。恐らく俺の出した大声のせいか、通り過ぎていく人の目線がこちらに集まっていた。
🍤「ごめん、つい…」
🌵「…まぁいいよ、ようやくわかってくれたんなら許す」
🍤「ありがとう、じゃあ行こ!ちゃんと場所考えてきたから!」
そう言って彼の手を無理矢理取り、目的地へと走り始める。息を吐くような音が聞こえて振り返ると、怒っていたあの顔からすっかり変わり、楽しそうな笑顔へと変わっていた。
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