5話「明るい人」
zm:「なにやってんねん」
「ぁ”あ”?邪魔すんじゃねぇよ」
男は振り返りこちらを見たがその体はみるみるうちに石化されていく。
そしてそのまま床に落ちて砕ける。
zm:「おい…お前、大丈夫か?」
?「すまん助かった。ホンマやっかいな能力やな…」
そう言って服を着始める青年。
zm:「さっき俺の目見てたやろ?何で石化してないん?」
?「…あんさん3大公爵家の人やろ。
あの、石化の」
zm:「…そうやけど」
?「お、じゃああんさんがゾムやな?」
zm:「おう」
?「俺はロボロ!3大公爵家の1つレイ家の当主や」
zm:「あ〜、あのテレパシーんとこの…」
rbr:「そうや!それにプラスで俺は誘惑の能力持ちや。さっきのが例やな」
ロボロと名乗った青年はこちらを見て笑っているような気がした。
その名には聞き覚えがあった。
本人も言っていた通り3大公爵家の一角だ。
噂では容姿が物凄く整っていると言われていたがその顔は天と書かれた布で隠されている。
zm:「乗っかられてんのは見たけど…その顔のなんや」
rbr:「あーこれ?これは俺の能力を和らげてくれるやつ。少しでも能力の誤発を防ぎたいしな」
zm:「その布で抑えれるもんなん?」
そんな布切れ1つでなんとかできるもんやないと思うけど…
ていうかそんなに強力な能力なんか
rbr:「能力の発動が顔見られると発動されるっぽいんよな、ほら」
そう言って布をめくる。
布の下のその顔は噂で聞いていたような”整った容姿”だった。
純粋無垢そうな顔、きらきらと輝くルビーのように美しい瞳。
確かに理性が失うやつがいてもおかしくはない顔立ちだった。
てか能力の誤発を裂けたいなら何で俺に顔見せんねん。
rbr:「…あれ、お前誘惑が効いてない?これは逸材やな…!ちょ、お前も顔見せろ!」
これまで能力が効かない人間はいなかったらしく、少し驚きの表情を見せながらも興味深そうな顔で俺のパーカーを掴み乱暴にめくる。
zm:「えっ!?ちょっ…!!」
お前も石化する…!!
そう思って目を瞑る。
何秒か経って目を開ける。
そこにはテンションの上がっている様子のロボロがいた。
ロボロはゾムの目を見たはずなのに石化されない。
石化するどころかさっきよりも動き回るロボロ。
rbr:「えっ?お前バリイケメンやん!!なんで目隠してんの?勿体ないなぁ!!」
zm:「…え?なんでお前石化してへんの…??目見たやろ…!?」
rbr:「ん?あ、そういやゾムの能力って石化やったな。発動条件なんなん?」
zm:「いやだから目を見られたら俺の意思関係なく発動するはずなんやけど…」
rbr:「俺石化されてないけどなんでや?」
zm:「こっちが聞きたいわ」
rbr:「んふふふ」
zm:「なに笑ってんねん」
rbr:「いやめっちゃ悩んでんやもん…」
zm:「こんなこと初めてやから…」
rbr:「可愛ええなぁ〜はー、ところでなんでゾムはこんな所におんの?公爵家はあっちやろ」
zm:「あ…」
そういえば、家を出てきたんだった。
ロボロの無邪気さにすっかり忘れていた。
rbr:「?どした」
zm:「父も母も、殺してきた、」
rbr:「!えー、凄いなぁ!!」
zm:「え?」
殺した、と伝えると驚く様子も無く、悲しむ様子もなく、笑顔で俺を褒める。
rbr:「あの公爵サマをやったんやろ?凄いことやん!!これでお前も今日から公爵やな!!」
にかっと笑うロボロ。
なんていうか…眩しいな。
人殺しの俺なんかに笑いかけてくれる。
rbr:「あの家は俺ん家と仲悪かったし、俺は別にいいと思うで!…公爵家でのゾムの扱い方も知っとったし、いずれ助けに行こうと思っててん!!お前の行動は正当防衛。な、そんな気にすんなよ!」
zm:「俺…イラついて、勢いで殺してもうて…」
rbr:「能力者同士での争いなんてあるあるやし、そんな気負わんでええよ。お前も今までそんぐらいのことされてたんやから。後処理は任せとけ!んで!お前俺ん家来いよ!泊まるとこないやろ?前の家よりはマシのはずやで」
俺に手を差し伸べてにこやかに笑う。
zm:「でも…能力石化やし…」
rbr:「別に屋敷の誰かを石化させてもかまわんで?出来れば俺の執事はやめて欲しいけど」
zm:「いやそういう問題じゃないやろ…」
コイツさらっとえぐいこと言うよな…
でも、はじめて俺と対等に向き合ってくれた。
rbr:「俺ん家父上も母上ももう死んでおらんから今は俺が当主やねん。ゾムが屋敷に来て、虐めるやつがおるんなら、そいつは俺が殺す。だから心配せず来いよ」
むっ、むちゃくちゃや…
でも、今は一緒にいたい。
友達…に最も近い存在。
zm:「わかった、行く。あと1つええか、?」
rbr:「ん?なんや?どんとこい!」
zm:「俺の友達…になって欲しいんやけど…っ」
ロボロは少し驚いたような顔をしてから上品な笑いを俺に向ける。
rbr:「んふ、もう友達やろ!」
zm:「おう!!」
俺を闇から助け出してくれる、照らしてくれる。お前は俺の希望や、ロボロ…
はじめて、優しい言葉をかけられた。
眩しいなぁ…
終わり
長らく更新して居なくて申し訳ありません
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
コメント
3件
最高すぎです!! 続き楽しみにしてます!!
最高すぎます!! かくのもストーリーも天才的すぎです✨