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こないだは酔って失態を犯してしまったこともあり、今日こそは酔い潰れたりはしないよう、お酒の合間に飲む水を用意して、これでよし! と、自分なりにもくろみを立てた。
そうしていざ飲んでみた白ワインは、フルーティーな口あたりでとっても飲みやすくて、おつまみにと添えられたチーズともよく合って、お酒が進んだ。
「すごく美味しくて、このワイン」
「ああ、割りとライトなテイストだし、ランチの後に飲むのもいいもんだろう?」
「はい、昼間から飲むのも、また格別ですね」と、ワイングラスを傾ける。
「こんな風に、部屋で二人っきりでお酒を飲むなんて……夢みたいで」
「僕も、君とこうして二人きりでいられることを、夢見てたからな」
お酒だけじゃなく、彼の甘い言葉にも酔わされてしまいそうで……。
部屋に流れる、落ち着いて心地のいいインストの曲と相まって、よりワインも美味しく感じられるようだった──。
「チーフは、アルコールには強い方なんですか?」
何杯かを飲んだ後でも、顔にはあまり出ていないように見える彼に、そう訊いてみた。
「そうだな、弱くはないかもしれない。ペースは速くないが、時間があれば割りといくらでもイケる方かもな」
「そうなんですね……」思い返してみれば、会社の飲み会で同席したり、お付き合いをするようになって食事をしながら飲んだりするようにはなったけれど、矢代チーフと二人だけで長い時間こんな風に飲んだことはなくて、どれくらい飲むのかまではまだ知らなかった。
……というか、あの時だって、私が酔っぱらたりしなければ、いい感じでもっとお酒を愉しめていたのかもしれないよね。
こうなったら、今日は絶対に酔わずに、チーフに付き合ってムードのある飲み方を……。
──と、思っていたはずだったのが、いつの間にかまた、私は飲み過ぎて寝入ってしまっていたらしかった……。