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借金が4億1900万になった第二回戦。爪を剥がされ放心状態の智司に対し容赦ない指示が出される。
「次は5,000万円以上のベットがルールだ」
「む、無理です……そんな金はありません……」
「だったら罰ゲーム追加だ。鼻を潰すか歯を抜くか選べ」
観客コメント欄は祭り状態。
『選択肢ねぇなぁwwwww』
『歯抜け智司爆誕!』
『早くしろよ豚野郎w』
「ちょっと待ってください!」
智司が叫ぶ。
「それだと借金が増えちゃいますよ!」
「当たり前だろう」
八木が笑う。
「それがビジネスってもんだ」
結局五千万円という途方もない金額で第二戦を開始することに同意してしまう智司。手元の賽子を振る──『赦』。
「おぉぉ!奇跡が起きたかもしれませんねぇ!」
実況の声が弾む。
「罰ゲーム免除ですね!おめでとうございます!掛け金は二倍になって一億円獲得!3億1,900万の借金になりまーす!」
『マジか!ラッキー過ぎワロタ』
『なんでコイツ助かるんだよ!』
『この展開嫌いじゃねぇwww』
『どんどん面白くなってきたな!』
「第三回戦行きましょう!さあ次は何でしょう?」
「も……もう勘弁してくれ……」
「却下だ」
絶望しながら賽を振ると、目は『狂』。
最悪だ。最悪の結果が出てしまった。
「おっと出ました!狂ですよ皆さん!最高潮です!」
実況のテンションがさらに上がる。
「では、電気責めをしてもらいまーす!スタンガン使っちゃいましょう♪」
ちょっ……まってください!!本当に死ぬぅ!!」
「大丈夫大丈夫♪弱いのに設定するから♪」
「そんな問題じゃ──ぎゃぁぁぁ!!」
自分の手でスタンガンを握りしめられ、無理やり当てられた。ビリビリッと激痛が全身を駆け巡る。視界がブラックアウト寸前まで行くも耐えた。
『泣くなよ弱虫智司w』
『痙攣えっろw』
『もっと苦しめ!!』
その後も第四回戦(罰)、五回戦(滅)と続き、最終回でも『滅』が出てしまう。
「残念ながら今回の敗北により智司君の借金総額はなんと50億7000万になりました!」
「嘘だ……こんなの絶対おかしい……」
「まだ言うか?」
八木が舌打ち。
「なら証明してやろう」
彼が手元のボタンを押すと、突然天井から大量の水が降り注ぐ。
「お前の『不運』っぷりを見せてみろ!」
冷水に打たれながら蹲る智司。観客の嘲笑だけが響く。
『濡れネズミキター』
『完全敗北乙www』
『明日も見るからな!!』
放送終了後、拘束服を着せられ地下室へ移動させられる途中でふと思った。
(あの六面体……あれ実は全部『滅』とか『罰』とか書いてあって出る目コントロールされてんじゃねぇのか?)
確信に変わりつつあった。そしてそれを確かめようにも力が入らない。体中の痛みと疲労で気絶しかける中思うことは唯一つ。
(どうしてこんなことになったんだろう……)
過去への後悔だけが募っていく。