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偽りの弱者と、狂愛のゆりかご :断章
過去回 想:醜悪なる姫の嫉妬と仕組まれた破滅
それは、瀬麗梛がエイディル国を追放される数日前のこと。当時、無能なヒラ幹部を演じていた瀬麗梛は、城の中庭で一人、庭園の手入れをしていた。使っていたのは、極限まで威力を絞った、指先からチョロチョロと水が出るだけの「基本の水魔法」だ。
「あら、そこにいるのは無能の瀬麗梛じゃない」
不快な高笑いと共に現れたのは、エイディル国の第一王女・マルグリットだった。彼女は、瀬麗梛が
「無能のくせに、他の優秀な幹部たち(怜たち)から異常なほど大切に扱われていること」
が、激しく気に入らなかった。自分の容姿や身分をもってしても、怜たちは一瞥もくれず、瀬麗梛ばかりを見つめている。その事実に、彼女のプライドはズタズタに引き裂かれていたのだ。
「そんな貧相な魔法しか使えないなんて、我が国の恥さらしね。……ちょっと私の魔法の実験台になりなさいよ」
姫は傲慢に笑うと、瀬麗梛に向けて容赦なく、中級の『火球(ファイアボール)』を放った。直撃すれば大怪我では済まない威力。
(うーん、どうしようかなぁ)
瀬麗梛は、ふわふわとした思考の裏で、一瞬で状況を計算していた。避けるのは簡単だ。だが、完璧に避けてしまっては「弱い振り」にヒビが入る。かといって、神の加護で物理・魔法耐性が限界突破している瀬麗梛の肉体は、この程度の火球では傷一つ付かない。無傷でいれば、逆にバケモノだと怪しまれてしまう。
(よし、じゃあ……)
瀬麗梛は「うわぁ!」とわざとらしく声を上げ、後ろに尻餅をついた。同時に、彼の周囲に漂う見えない魔力が、飛んできた火球の「軌道」をほんの少しだけ歪める。シュッ——!火球は瀬麗梛の頬をかすめ
(実際はかすめてもいないが、風圧で髪が揺れただけ)
彼の真後ろにあった大理石の彫刻に直撃した。ドンッ!!激しい破裂音と共に、大理石が砕け散る。そして、その跳ね返った爆風と火の粉が、驚いて呆然と立ち尽くしていたマルグリット姫の腕へと、そのまま直撃したのだ。
「ぎゃああああっ!? 熱い、熱いっ!!」
ドレスに火が移り、腕に痛々しい火傷を負う姫。瀬麗梛は泥にまみれたまま、心の中で
(あはは、自爆しちゃった)
と笑っていたが、表面上は涙目を浮かべてガタガタと震えてみせた。
「ひ、姫様! 大丈夫ですか……!?」
「黙れ! 黙りなさい無能!! あなたが……あなたが私に逆らって、呪いの魔法で私を攻撃したのよ!!」
痛みに顔を歪ませた姫は、自分の失態を隠すため、そして邪魔な瀬麗梛を合法的に抹殺するために、狂ったように叫んだ。これが、のちに謁見の間で叫ばれた
「瀬麗梛による姫へのいじめ事件」 の、あまりにもくだらない真相だった。
番外編 過去編 前編 です 。
では 又 ~ !
夏菜
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玖衣那 喰
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#しょしんしゃ🔰
りと。@自発来たらフォロバ💯
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音奏そらる
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コメント
3件
おお、過去編で瀬麗梛さんの無能演技の裏側が見える回でしたね。マルグリット姫の傲慢さが痛々しいけど、瀬麗梛さんの「どうしようかな〜」からの計算ずくの事故に見せかける手際が憎い。あの火球の軌道をほんの少し逸らす制御力、弱いふりのためだけに使ってるところがもうニヤニヤします。姫の「呪いの魔法だ!」発言も、真相を知ると滑稽でしかない。このくだらない捏造が後々の追放劇に繋がると思うと、また感慨深いですね。続きが気になる。