テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
#溺愛
初めてリュカと一夜を過ごしたのも
ここだった
初めてリュカを深く知ったのも
ここだった
あの時と違い
外は快晴で
あの時と違い
外は明るい
リュカの全てがよく見える
あの時
窓から差し込んだ夜の街灯は
日中の陽の光へと移ろい
あの時感じた想いは
あの時のまま
私たちの関係は
移ろいだ
眩いばかりの陽の光が
私たちを包み込み
私たちを映し出す
私の全てがよく見えてしまい
少し気恥ずかしい
時が止まったまま
エレベーターから移ろい社長室へ
時が止まったまま
唇を重ね
体を重ね合わせる
もう
一人で思い悩んだりしない
恥ずかしがることなどない
隠すことなど何もない
私の全てをさらけ出し
私の身を委ねる
リュカの
大きな体と
大きな心が
私の全てを優しく包み込む——
見つめ合ったまま
繋がり合い
繋がり合ったまま
唇を重ね合う
時が止まったまま
永遠に
体を重ね合う
絡み合う舌が
五感を刺激し
五感でリュカの全てを感じる
僅かに擦れ合う身体が
ソファを揺らし
意識の向こうで
軋む音が微かに聞こえる
耳元で聞こえるリュカの吐息が
私の神経を鋭敏にし
擦れ合うリュカの体温が
私の神経を狂わせる
包み込まれる包容感と
満たされ溢れる充足感
鋭敏に狂った脳が
頭を幸福感で満たし
理性の囲いを溶かしていく
リュカの
大きな体が圧し掛かる
その重量感で
身動きがままならない
私を拘束する
その重量感が
心地良い
大きな体が覆い被さり
絡まり合う身体の
全面積が重なり合い
逃れることができない
次第に曖昧になる神経
次第に朦朧とする意識
重なり合った身体が
私たちを繋ぎ
重なり合った心が
私の意識を繋ぎ止めている
もう
リュカのことしか考えられない
他の全ては些細なこと
些細なことなどどうでもいい
ただ
ずっとこうしていたい
もう
何も考えられない
理性がままならず
自分の本性がむき出しになる
思考がおぼつかず
朦朧とした意識の向こうに
自分の本心が垣間見える
いっそこのまま
私の全てを
リュカに奪われてしまいたい——
脳が痺れて
視界がおぼつかない
僅か数センチ先のリュカの顔が
霞んで見える
全身の細胞が
私を構成する全DNAが
この人だと指し示して止まない
身も心も奪われ
私はもう
リュカから逃れられない——
大好き
愛してる
このまま
ずっと一緒にいたい——
***
「お、目が覚めた?」
ぼんやりと
視界が開け
視界がゆっくりと戻って来る
「……」
(私……寝ちゃってた?)
「いいよゆっくりで、どうせ誰もいないし」
瞼を開き
最初に飛び込んで来たのは
優しく微笑むリュカの顔
その屈託のない
整った顔に
思わず胸がキュンとなる
ひな鳥は最初に目にした人を親と認識すると言うが
こんな感じなのだろうか
整ったシャツに身を包む姿が
胸を締め付けて止まない
「——!?」
私は
裸のままだった
途端に羞恥心に襲われ
赤面し狼狽する
私は
生まれたて赤子のように
ブランケットに包まれていた
「ん、それ?」
「俺が仮眠する時用のやつ、それしか無くて」
「服着ちゃいな、体冷やさないほうが良いんじゃない?」
自分だけ裸
着衣のリュカに
着衣を促され
羞恥に赤面する
私に着衣を促すと
気を遣ってか
リュカは部屋を出て行った
「……」
(——やってしまった!)
(でも……)
喜びに笑みが零れる
年甲斐もなく恥ずかしくなり
思わず顔を覆ったブランケットは
リュカの匂いがした
急いで服を纏い
髪を整え
化粧を整える
ブランケットを畳み
ソファの位置を整えていると
リュカが戻って来た
片手には袋を下げ
温かい飲み物を淹れてきてくれた
「いいよ大丈夫だから、無理すんなって」
ソファを動かすのに四苦八苦する私を尻目に
いとも容易く動かすリュカ
元の位置に戻ったソファに腰を下ろし
淹れて貰った紅茶を嗜む
「これ、大丈夫なやつでしょ?」
淹れてくれたのは
ノンカフェインの紅茶だった
「ありがとう!わざわざ買いに行ってくれたの?」
「ほら、レストランでも気にして選んでたから」
リュカの
その優しさと
何気ない気遣いに
思わず胸がキュンとなる
並んで腰を下ろし
リュカに肩を抱かれ
リュカにもたれ掛かる
リュカの匂いがする
リュカの熱い体温が
私の体を温める
差し込む休日の木漏れ日
温かい紅茶に舌鼓を打ち
二人無言で寄り添いながら
ゆっくりと流れる時間を嗜む
こんな週末もあるのかと
私の人生では至れなかった境地を知る
「ごめんね、仕事の邪魔しちゃって」
「全然平気」
「休日の仕事なんてするに越したことない程度だよ」
私は
この人といると迷わない
この人といると強くなれる
私はもう
見失わない
「あのね……」
「私、離婚しようと思う」
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