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ゆの
156
来
344
「3……2……1――」
ステージへ飛び出す。
歓声が響く。
……はずだった。
いるまには、音がほとんど届かなかった。
「……っ」
イヤモニを何度も確認する。
壊れてる?
そう思った瞬間、隣にいたすちが歌い始めた。
口は動いている。
でも、声が――遠い。
「……」
それでも歌わなきゃいけない。
いつものように。
間違えないように。
いるまは必死に周りを見ながら歌った。
ところが、次の曲に入った瞬間。
らん「いるま、次――」
「……え?」
振り付けが一瞬遅れる。
なつがすぐにフォローする。
なつ「……!」
曲が終わる。
メンバーが袖へ戻った瞬間、らんがいるまの肩をつかんだ。
らん「今の、どうした?」
「……何が?」
らん「イヤモニ、聞こえてなかっただろ」
「……」
いるまは答えられなかった。
初めて――
隠し続けるのが、難しくなった。
コメント
5件
第6話、読み終えました。ステージで音が届かなくなる感覚――まるで水の中にいるみたいな孤立感がひしひしと伝わってきました。らんがすぐに異変に気づいて肩をつかむシーン、チームの絆と同時に「隠し続けるのが難しくなった」という一文がとても重く響きます。何か抱えているものを感じさせる終わり方、続きが気になりますね。kさん、この切迫感のある描写、とても巧みでした。