学晴(交際済)
晴明君が情事の時に声を出してくれない。
「何でだ……」
「あっちゃんが珍しく自ら僕を呼んだと思ったら、まぁた晴明君関連?」
今現在学園長、蘆屋道満の自宅で可愛らしいとは到底言えない恋バナが繰りひろげられていた。
否、恋バナと言うより惚気の方が正しいが。
「ッいつも気持ち良さそうにしてンのに、ちゃんとイッてんのに…声だけは出してくれねぇ、」
「うわぁ、僕コレどんな気持ちで聞いてればいいのよ……」
共感でもしといた方がいい?と横目でこちらを見つめ、呑気に酒を飲みながら聞いてくるコイツ_朱雀はクソ腹立つが怒る気力すら出ない今、睨むことしか出来なかった
「……ただ単に自分の声をあっちゃんに聞かれたくないだけじゃない?」
「何でだよ!?」
ため息を吐きながら仕方ないな、と言うように言葉を発する朱雀に若干イラッときたもののそれを無視して今先程コイツが述べた推測に思わず声を張った
「そりゃあ…晴明君にとっては恥ずかしいからじゃない?」
「……確かに、少し声がデカめに出た時は恥ずかしそうに顔を枕に埋めてたわ」
「うん、これで解決だね!じゃ、僕は追加のお酒を……」
気持ち悪い程にニヤニヤした顔で追加のお酒を取ってこようとする朱雀を慣れたようにシメては自分は考える。
どうしたら晴明君の淫らな声を聞けるのか。
答えを出すまでに時間はかからなかった。
我慢しているのなら強制的に出させれば良いのだ、いつもよりもっと強い快感を与えれば流石の晴明君でも我慢できないだろう。
そうと決まれば、
「………明日実行しますかねぇ」
早くて損はないだろう。
明日は土曜日、つまりは休日。その次の日も休日なので何しても大丈夫だろう。たとえ愛する恋人の体がバキバキになろうが自分が介護すれば良いだけの話。
後で明日の為に色々準備せねば、とタンマタンマ!!と叫んでいるクソ烏から手を離し、自分の飲みかけのお酒を手に取って口にする。
明日の事を思うと胸が躍って仕方がない。
「今日は早めに寝ますかねぇ、」
「あ!じゃあ僕今日あっちゃん家泊まる!」
「帰れ」
あーん、即答しないでよ〜!と泣いて縋りつこうとしてくる朱雀を一蹴して、今日は妙に綺麗に見える月に目線を向けては晴明君の顔を思い浮かべる。そして、まるで愛しい恋人に向けて告げるかのように月に向かって心の中で呟く。
明日が楽しみですねぇ?晴明君♡
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ぞわっ
「っ、?何やら悪寒が…明日にでも何か不幸なことが起こるのかな……」
自分の身の危険に気づかない晴明なのであった
___𝐧𝐞𝐱𝐭
コメント
5件
あ、好きだぁ めちゃくちゃ次の話が気になりすぎるんだが、、
これもう好き(?)