⚠R15
「テツ」
「うん」
「これ」
緋八宅。
のんびりお家デート、なんて言いつつ2人していつものようにゲームをしていた佐伯。
楽しくてあっという間に時間が過ぎていく中、緋八が飴玉を1つ出す。
「食べたい?」
「前においしいって言ってたやつ?」
「そう」
「うん、食べたい」
そう言ったのに緋八は飴を自分の口に入れる。言葉の出力を間違えたのかと佐伯は戸惑う。
「え、マナ君」
「ん」
緋八の反応からして間違えてはいなさそうだけれども。思わず呼びかければ、薄く口を開けて舌の上をころり転がる飴玉を見せてくる。
「え?」
「食べて」
首を傾げる佐伯に緋八は言う。
「一緒に食べよ?」
「え……!?!?!」
意図を察した瞬間、大声が出る。何か言おうとしては口を閉じまた開けてを繰り返し、目線を彷徨わせては口元に手を持っていったりする。
それを見て緋八はくすくす笑う。
「んふふ、慌て過ぎ」
「え、や……え?」
「言葉出てこぉへんやん」
「や…だって……こんなのえっちな漫画でしか見ないもん」
「えっちな漫画の真似だよ」
いたずらっぽく笑う彼。頬をほんのり赤らめるのがなんだか色っぽい。
「ほら、いいよ。食べて」
完全に待ちの姿勢の彼。終いには目を閉じてしまったのだから慌てる。
いやいや、いいよって。
経験ゼロですよこちとら。
これで下手過ぎて引かれたら…。いや、これでいかない方がまずいでしょう。据膳とかいうやつでしょう。俺知ってんだ。
いや、ちょっと待って。
駄目だ。待たすな佐伯。目閉じたままのマナ君を待たせるな。
そっと背中に手をまわしてぎこちなく顔を近づける。
綺麗な可愛い顔。心臓をバクバクさせながら無防備に晒された彼の顔の可愛さにときめく。
もう片方の手はふっくらした柔らかい頬に添えるようにしておく。ぎゅっと目を瞑って、そのまま静かに口付けた。
柔らかい唇が当たる感触。彼につられるようにして薄く開けていた口にころん、と飴玉が転がってくる。
コメント
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つ、続き………続きが楽しみすぎます…………