最終話〜
―1― 「壊れた」たっぴょん
タプはまだ、歌えていなかった。
それでも、ステージに立ち、心を無にして歌い続ける。
なぜなら、ジヨンがすぐそこにいて、指をひらひらと動かすと、タプは必ずその指を追って、求めてしまうから。
「ジヨン…」
彼の呼び声は、もう何度も何度も空しく響くばかりで、
だがジヨンは、冷徹に、そして楽しげに見下ろすだけ。
「お前、いないと歌えないんだろ?」
ジヨンはタプの肩を強引に掴むと、深いキスをしながら低く笑った。
「ほら、感じろ。もっと深く。俺の命令がないと、何もできないんだろ?」
その言葉がタプを、さらに深く苦しめる。
依存と愛情の狭間で彼はもがき、やがて――
“全てを壊したくなった”
「もう、限界だよ…」
タプは、堪えきれずに涙を流しながら、その言葉を口にした。
その瞬間、ジヨンはピタリと動きを止め、タプをじっと見つめる。
「壊したいんだ? じゃあ、壊せ」
ジヨンのその冷たくも甘い言葉が、タプをさらに追い詰める。
―2― 支配と“愛”の地獄
ジヨンは、タプの力を奪い取ることが、彼の“愛”だと思い込んでいた。
しかし、それは次第に狂気に変わり、タプもまたその中で溺れ込んでいった。
「俺を壊せ…」
タプは時折、そう呟きながら、ジヨンを求めるようになった。
他の誰かと触れ合うことも、心が張り裂けそうになりながらも、ジヨンだけが欲しい、ジヨンだけがすべてだった。
その状態をジヨンは楽しみながらも、
何も言わず、ただタプの心が完全に自分に従うように、どんどん深く支配していった。
タプの意識はすでに、ジヨンに支配されていた。
―3― 新曲『崩壊』と、さらに深く愛し合う
その頃、ジヨンは新たな曲を作り始めていた。
曲名は**『崩壊』**。
歌詞には、タプがどんどん壊れていく様子が、狂ったように表現されていた。
「愛が壊れて、心が裂ける。
それでもお前が俺を求めるなら、何でもしてやる」
「命令してくれ、壊してくれ、全てを。
その手で俺を完全に支配してくれ」
「お前に従うことこそが俺の命」
その曲を発表した瞬間、世界は震えた。
再生数は瞬く間に1億回を超え、SNSでも大きな反響を呼んだ。
「これ、もう普通じゃない。怖すぎる」
「ただのラブソングじゃない、まるで呪いの歌みたい」
「でも止められない。すごい引き込まれる」
その歌詞は、聴く者すべてに深い印象を与え、
タプの心が完全にジヨンに縛られていることが、どこか異様な美しさを持っていると感じさせた。
―4― “壊れた”愛の伝説と、ビッグバンの名曲
ジヨンとタプの関係は、次第に“伝説”となっていった。
タプがジヨンに完全に依存し、ジヨンがその依存を楽しみながら深めていく。
それはもはや、普通の愛情の枠を超えたものだった。
だが、ジヨンはそれに満足し、タプをどんどん壊していった。
そして、ビッグバンの新曲『崩壊』は、世界中で話題になり、数々の賞を受賞した。
その後、ジヨンとタプの関係は、まるで神話のように語り継がれていった。
ジヨンはタプに対して、愛だけではなく、完全な支配を求め続けた。
そしてタプは、そんなジヨンのすべてに従うことこそが、愛そのものであると思うようになった。
end〜
どうでしたか?変な終わり方になってすいませんもし続きが気になるのなら、メッセージでお願いします。