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K「あ!お前ら!!」
コテージに着くと、きっくんの大声が聞こえた。
K「どこ行ってたんだよ!!」
F「お楽しみですか〜」
さも童貞のような反応を見せるFB。というか、なんだよお楽しみって。おじさんかよ。
A「バカかよ、ちげーわ」
E「すまん、風呂行ってた」
素直に白状する。すると2人は、あぁ、と納得した様子を見せた。そろそろ寝ようとしていたのか、さすがにもう飲み食いはしていないようだ。
A「じゃ、俺らもう寝るんで」
K「いい時間だもんな」
F「寝ますかー」
みんなで大きなあくびをして、コテージのライトを消した。ベッドサイドの小さなランプだけはつけておこうと、そう言って1階の2人はベッドに潜る。
それを見届けてから、俺たちも階段を登って寝る準備をした。寝る前に今日撮った写真を見ようと、スマホをいじり始めたとき。
A「えおえお」
ガーゼを持ったあろまが俺のベッドに座る。
E「なにそれ」
A「いいから、手貸せ」
E「ん」
A「そっちじゃなくて、怪我してる方だよバカ」
さっきされたことを忘れたわけじゃない。嫌な予感がして、手を差し出すのに抵抗を覚える。
A「んだよ…もうしねぇよ」
どこから取り出したのか、消毒液の染みたガーゼをさっきの傷口に当てる。
E「い゛っ…」
A「そのままほっとくと雑菌が入る」
手の怪我を擦らないようにゆっくりと、ガーゼで拭いてくれていた。普段ならこんなこと絶対にしないのに、なんで?
頭の中のぐるぐるは消えてくれない。
A「まだ染みる?痛い?」
E「ちょっと痛い…」
A「派手に擦ったもんな」
あろまは大きめの絆創膏を開け、俺の手のひらにペタっと貼った。
A「これでとりあえずは大丈夫だと思うから」
さっき見た、満足げな顔を見せる。
E「なんでここまでしてくれるの」
ずっと思っていたことを聞いてみることにした。
A「あ?」
E「いやだって…普通あんなことしないだろ」
A「そうだな、普通は」
E「あろまらしくないよ」
A「俺らしくない…ね…」
するとあろまはふぅ、とため息を一つついた。
A「俺らしくないって、お前は俺の何を知ってるんだよ」
E「いや…全部はもちろん知らないけどさ…長年の付き合いじゃん、性格はわかってるつもりだよ」
A「そう…じゃあ、俺が何考えてるか当てて」
E「は?」
A「なんであんなことしたか、当ててみろよ」
怪我した俺の手を触りながら、あろまは俺の顔をじっと見ていた。
To Be Continued…