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俺は考えに考えた。でも全然その答えがわからなくて、俺の顔を見つめるあろまのその目を、俺もまた見つめ返していた。
A「なんてな」
俺の手を離し、自分のベッドに戻るあろま。何事もなかったかのように布団を被る。
E「え?」
さっきまでの雰囲気は消えて、いつもどおりに振る舞われる。俺は困惑していた。こいつの様子がいつもと違ったから、何でって聞きたかったのに。
A「じゃ、寝るわ」
あまりの気まぐれさに圧倒されて、おやすみを言うのをすっかり忘れていた。さっきまで珍しい表情で俺を見ていたあろまは、早くも静かな寝息を立てている。
結局なんだったのか、さっきの言葉の真意は俺にはわからない。俺の心配をしてくれて傷の手当もしてくれて、らしくないなって思って。
でも今日はたまたまだ。ただ優しかっただけ、それだけだ。考えていても仕方ないので、俺はSNSを適当にスクロールしていた画面を閉じた。
(眠れない…)
夜中の3時。こんな時間に目が冷めてしまった。昨日はそれなりにはしゃいで疲れているはずなのに。
原因は…まぁ…わかるよね?
(ココアでも飲むか…)
コテージの2階にはベランダもついており、ちょっとしたテーブルとイスもある。朝はここで食事なんてしたら気持ちいいだろう。
下の階からはきっくんのいびきが聞こえてくる。隣のFBはもぞもぞと動いていた。きっといびきがうるさいんだろう。
俺は隣で眠っているあろまを起こさないように、そーっとベランダへのドアを開ける。外は暑かったが、少し風が吹いているせいか不快には感じないくらいだった。
E「ふぅ…」
湖が近くに見える。その水面に映る星たちがきらきら輝いて、なんともロマンチックな雰囲気だ。といっても1人だからただ黄昏れてるだけだけど。
空を見上げながらココアを啜る。こんな夜中に1人外で考えることは1つ。
E「何だったんだろうな…」
ドライな友人が見せた世話焼きな一面。その姿が新鮮で、なぜか忘れられない。ちょっとしたことなのに印象的なあの姿はなにかに似ている。
…そうだ、荒くれヤンキーが雨に濡れた子犬を拾うシーン。それに似てるんだ。
普段そんなイメージのない人が意外なことで好印象を与えるっていう、あれだ。少女漫画でよくあるやつだけど、あれは確か、ヒロインが好きになるって展開のはずだけど…
あれ…?
もしかして…俺……
To Be Continued…