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『愛の形』
雨の日だった。
👁️🗨️は誰かの荷物を黙って持っていた。
「ありがとう。」
その一言だけで十分だった。
苦しくても。
疲れても。
自分のことは後回し。
「相手が笑ってくれるなら、それでいい。」
そう思っていた。
⸻
ある日。
👁️🗨️は熱があった。
頭が重い。
足元もふらつく。
それでも笑う。
「大丈夫。」
「できるよ。」
本当は立っているだけでもつらかった。
それでも断れない。
迷惑をかけたくなかった。
⸻
夜。
二人きりの部屋。
Ი𐑼は👁️🗨️の顔を見て言った。
「疲れている。」
「平気。」
「嘘だ。」
「……平気だから。」
Ი𐑼は静かに首を振る。
「君は、いつから『自分を後回しにすること』を愛だと思うようになった。」
その言葉に、👁️🗨️は黙る。
「だって……。」
「私が我慢すれば、みんな笑う。」
「私が頑張れば、嫌われない。」
「それが愛じゃないの?」
部屋が静かになる。
Ი𐑼は少し考えてから答えた。
「それは優しさかもしれない。」
「でも、愛は『自分を消すこと』ではない。」
👁️🗨️は困ったように笑う。
「でも、自分を優先したら、わがままでしょ。」
Ი𐑼はゆっくりと言葉を選ぶ。
「違う。」
「自分を大切にすることと、わがままは同じじゃない。」
「君が倒れるまで尽くすことを、私は愛とは呼ばない。」
その言葉に、👁️🗨️の表情が揺れる。
「じゃあ……。」
「どうすればいいの。」
Ი𐑼は静かに答えた。
「今日の命令だ。」
👁️🗨️は顔を上げる。
「助けてと言えるようになれ。」
「疲れたと言え。」
「嫌だと言ってもいい場面を見つけろ。」
「そんなこと……。」
「難しい。」
Ი𐑼はうなずく。
「だから練習する。」
「本当に誰かを大切にしたいなら、まず君自身が壊れないことだ。」
👁️🗨️は目に涙をためる。
「私が壊れても、誰かが幸せならいいと思ってた。」
Ი𐑼は穏やかな声で返した。
「君が壊れることを望む人を、愛とは呼ばない。」
「そして、君が壊れることだけを条件に成り立つ関係も、健全な愛ではない。」
長い沈黙のあと、👁️🗨️は小さく息を吐いた。
「……少し、考えてみる。」
Ი𐑼は静かにうなずく。
「それで十分だ。」
部屋の外では、雨が少しずつ弱くなっていた。
コメント
1件
おお……第12話、すごく沁みました。Ი𐑼の「それは優しさかもしれない。でも、愛は『自分を消すこと』ではない」って台詞、心に刺さりましたね。「自分を後回しにすることが愛」って、無意識にそう思い込んでしまうこと、ありますよね。雨が静かにやんでいくラストも含めて、とても丁寧に描かれていて好きです。かほさん、じんわりくるお話をありがとうございました🍀