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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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──ねえ、狐の窓って知ってる?それをやると、人に化けてる妖怪の姿が見えるんだって。

──え?それ、危なくないの?

──え…どうなんだろ、分かんない…あんた試してみれば?

──やだよ怖いもん!

──あはは、っ。だよね。


✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤


「…あ。ねえ侑くん、こっち見て?」

「?おん、…」

お昼休み。侑くんがご飯を食べているのを正面から見ながらそう言うと、綺麗な瞳の中に両手で狐を作る私が映っていた。そのまま指を絡めて組んで、狐の窓越しに侑くんを見つめる。柔らかそうな毛に包まれた耳と、特徴的な和装。

「……あ。も〜…バレてもうた」

そして何より、身体の後ろからのぞく大きな尻尾。

「あつむ、くん…」

そっと、耳元に顔を近付けられる。サムにもやったれ、びっくりするやろ。そう言って狐は嗤っていた。


✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤


「う〜ん…」

「な〜に難しい顔しとんの、?」

腕を組んで廊下を歩いていると、ふと視界が少し暗くなる。見上げれば侑くんとよく似た端正な顔が私を見下ろしていた。

「治くん、……ちょっと、そこで立っててね」

「……お」

両手の狐を組みながら、おかしそうに微笑む治くんにそう声をかける。少し出かけた声を封じるように指の間をのぞき込むと、やっぱりスラリとした体躯の狐が立っていた。

「のぞき見か?や〜ん、えっち」

「…っ治くん!!//」


✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤


「あ、時雨いた」

「?…角名くん」

部活前の廊下、少し人気のなくなってきたところで後ろから声をかけられる。ところでさ、といつにも増してその笑みを広げながら、角名くんは私の目の前までやってきて言った。

「侑から聞いたで、なんやおもろいこと知っとるんやろ?俺にもやってみてよ」

「…あ、え…っと、わかった…」

狐の窓を組む私をびっくりするぐらい近くで角名くんは見つめて、それが完成するとぴょこんと生えた耳を震わせて囁く。

「もう満足したやろ。あの人には…北さんにだけはそれ、やらへん方がええで」

「え…?それってどういう……」


✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤


放課後の校舎はさらに人がいなくなり、とうとう誰かと話している北さんを私が物陰から見ている、というなんだか奇妙な状況にまでなってしまった。なんだか居た堪れなくて、ちょうど話し終わる直前を狙って窓をのぞく──

「──“深淵をのぞく時 深淵もまた こちらをのぞいているのだ”…ええ言葉やね」

「……ぁ、きた、さん」

いつの間にか私の目の前に、その人が立っている。瞳孔の細い金色の目が私を捉え、ぞくり、と首筋が粟立った。狭い視界いっぱいに広がるその色が、じわりと滲む。薄れ霞んだ意識の最後で、みんなの声が聞こえた気がした。

「あーあ、捕まっちゃった。だからやめときなって言ったのに」

「まあ、妖狐の頭領に目ぇつけられた時点でもう終わりやけどな」

「お前ら、何ゴチャゴチャ言うとんねん!時雨んこと最初に見つけたんは俺やからな!!」

「侑、治、角名、時雨を運んでやってくれんか、?俺はもう少しこっちでやることがあんねん。まあ、その間に手ぇ出したら、分かるな?」

「「「……ハイ」」」


✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤


これにて1話終了で〜す!

狐の窓興味がある人はネタとして書く分にはいいけど、実際にはやっちゃダメだよ、?

ほんとに危ないからね!?

それじゃ、良かったら、♡、フォロー、コメントよろしく〜!

おつかれ〜




















✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤✥✤


「──なあ、本当に気付いとらんかったんか、?そっちから見えるゆうことは──」




















──“俺らからも見える”んやで?

この作品はいかがでしたか?

233

コメント

7

ユーザー

すごぉぉぉぉ!?

ユーザー

すごー!! この作品めっちゃ好きかも! 私1回狐の窓やったことあるけどなんも見えんかった!

ユーザー

こーいうのかけるの尊敬すぎる!!!

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