「轟くん?」
後ろから名前を呼ばれた気がして俺は振り返った。それがいけなかったんだ。振り返ると緑谷と飯田、麗日の3人が立っていた。
「え…なん、で、ここに…」
3人を見て俺はあの時のことがフラッシュバックした。
「轟くん、なんでこんなことしたんだよ!」「違う!俺はやってない」「でも証拠があるんだよ」「そんなの知らない!」「轟、お前は退学だ」
なんで、みんなそんな目で見るんだ。俺はやってない。俺は知らない。だから、誰でもいいから、俺を信じて…助けて…
「…凍くん!焦凍くん!」
俺の名前を呼ぶトガの声で気がついた。
「ト、ガ…?」
「焦凍くん!大丈夫ですか?」
「あ、嗚呼」
俺は返事をし、3人の顔を見た。ああ久しぶりだな。変わらないな。3人をみるとまだ3ヶ月しか経ってないはずなのにどこか懐かしさを感じた。
「久しぶりだな」
俺は3人に声をかけた。3人は一瞬びっくりした表情になったけど、すぐに元通りになって俺に歩みよってきた。3人は申し訳なさそうな顔をしながら
「「「轟くんごめん!」」」
いきなり謝罪してきた。
「僕たち、君のこと信じてあげられなかった」「実はあの後、轟くんが本当はやっていなかったことが判明したの」
「俺たちA組は君に謝りたくて、戻ってきて欲しくて探していたんだ」
「は?いきなりなんだよ?」
自分でも思ったより低い声が出たなと思う。でもこの気持ちは収まらない。
「あの時、俺はやってないって、知らないって言ったのに信じなかったのはそっちだろ。でも本当は勘違いだったから戻ってきて欲しい?ふざけるな。虫が良すぎるだろ!ほんとになんなんだよ…今更遅いんだよ!もう俺に関わるな!」
気付いたら思ったことを全部吐き出していた。感情が昂ってるせいか、個性の制御が上手く効かない。暴走する!そう思った時にはもう遅かった。
「あぁぁぁー!!」
氷と炎が一瞬にして広がった。自分の身体も冷たくなったり熱くなったりしている。この状態で身体が持つわけでもなく、あ、死ぬなと感じた。薄れゆく意識の中「焦凍!!」と俺を呼ぶ荼毘の声が聞こえた
コメント
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焦凍くん…そうだよね、許せないですよね。自分だったら許せない!!次回もまた来ます✨