「熱ぐらい測りなよ」
「高かったら怖いし、俺帰る気ない」
「…、それは何となく分かるけど…!」
若井の声に少し力が入るの分かる。上がっていた視線も 少し下に落ちて、相当心配してるなと思い、 不安を和らげる言葉を探す。
「今は全く問題ないし、マネージャーにも、もう伝えてる」
落ちた若井の目線を覗き込む。
すると、突然若井が俺の手を思いっきり引き寄せ、俺の体を包み込む。
「俺、元貴倒れたら嫌だからね。作業とか全部儘ならなくかるから」
…よくそんな恥ずかしい言葉をつらつらと…。
「大丈夫だから、ね??」
若井の背中に手を回し、少しトントン叩く。
「もうダメ。移っちゃうから」
一向に離そうとしない若井の体を押しどける。
だいぶ不服そうな顔をした若井が面白く可愛い。
「終わったらメールして。迎え行くから」
しごでき過ぎて憎める。
「分かった、ありがと」「心配されたら困るから、早く戻ろ」
「あっ、若井。いざとなったらよろしく 」
俺は横を歩く若井の顔を覗き込み、悪戯っぽく笑った。
仕事は俺の体調を無視したようにどんどん進んでいく。
一瞬伝えようか迷うが、今更言ってもなーと思い吐きかけた言葉を飲み込んだ。
今日の山場の仕事を終え、1人での作業になった。緊張感が無くなり、身体が少しほぐれた気がした。
こう言う状態の時、いつもより手が動くのは何故だろう。
おかしいなーと思いながらも、動き続ける脳と手を止めることは出来なかった。
時刻は11時少し前。スマホをつけると若井から何通かメールが届いていた。
「まだやってる?」「ごめん邪魔しちゃ悪いよね」「終わったらすぐ連絡して」
「心配しすぎでしょ…笑」
思わず頬が緩む。
「今終わったよ」「外出て待ってるね」
今日は午後から別々の場所での仕事だったため、家に一旦帰ったであろう若井を片付けをしながらゆっくり待った。
「もう着いたよ」
思ったよりも若井が早く到着していて、ドタバタしながら作業部屋を後にした。
「元貴ー!」
外に出るとすぐ聞き覚えのある声が俺の名前を呼ぶ。
若井の姿を見ると、張り詰めていた心がほぐれ体が脱力する。
助手席に乗り込み、背もたれに身体を沈める。
「若井ちゃんと看病してよ??」
「もちろん」
そう言い照れ笑いする若井。
顔が熱くなったのはキュンときただけではなさそうだ。
お久しぶりですみません!!!!ほんとに!!
気長にお待ちください。🙇🏻♀️
コメント
10件
無理しちゃう系の大森さん、理解しつつ心配もする若井さん! ぽくていいですね✨
心配してるの可愛すぎる
ばいばいちん採用してね👋