テラーノベル
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🍆様が病気。
BADEND?
フィクション
ゆっくりとお楽しみください。
ゴホゴホッとぼんじゅうるが咳をする。
「最近、よく咳が出るね?大丈夫?」
ドズルが相方の心配をする、ぼんじゅうるは「季節の変わり目だからかなー」と言う。周りもその時は気にも止めなかった。それが間違えだった。
ぼんじゅうるが咳をするのがデフォルトになりだした頃、その日は特に咳が酷かった。撮影が中断する程のソレ。ぼんじゅうるは「ごめん」と息も絶え絶えにメンバーに呟く。ドズルは「大丈夫ですよ、気にしないでください、少し休みましょう」と背中をさすりながら壁際のベンチへ誘導していた。
「大丈夫かな、ぼんさん」
おらふくんが心配そうに見つめる、それにMENが「そういえば最近ぼんさん煙草辞めたね、吸ってる所ここ数ヶ月見てないわ」と答えた。「煙草が原因じゃないならやっぱり風邪かな?」とおんりーが話した瞬間、3人から離れた場所でぼんじゅうるの背中をさするドズルの悲鳴が響く。
「ぼんさん!!!!!」
「「「!?」」」
3人はドズルの聞いた事もない切羽詰まった声に顔を向ける。
「え」
そこには口から血を吐き両手を赤色に染めるぼんじゅうるがいた。その顔は、死人の様に青ざめている。3人の思考は止まっていた。ドッキリ?なんのイタズラ?とそれぞれが身動きを取れないでいた。
「ネコおじ救急車!!おんりー!おらふくん!MEN!!タオル!お湯!!毛布!!!早く!!!」
ドズルは喉を枯らす程の怒声をあげる。ぼんじゅうるはゼェゼェと肩で息をしながら3人を見た、弱々しい瞳、しかしフッと笑うと「大丈夫だよ」と声なき声を出した。その後ドズルに寄りかかるように気を失う。
「ぼんさん!!!だめだ!ぼんさん!目を開けて!寝たらダメだ!」
ドズルが涙を流しながら叫ぶ。MENが走り出す、おんりーは意識が遠のく、世界がスローモーションのようにゆっくりと動いている。遠くでドズルが「おんりー!!しっかりしろ!」と叫んでいるが上手く動けない、隣をゆっくり見るとおらふくんがおんりーの手を握り震えていた。その指先は冷えきっていた。
「間質性肺炎です。」
病院に運ばれたぼんじゅうるはその後目を覚まさない。ドズルは会社の代表として医師から診断内容を聞いていた。
医療知識があるドズルは「タイプは?」と医師へ質問する。
(頼む、1番軽いヤツであってくれ)
と目を瞑り項垂れる。
「……特発性肺線維症です。」
「っ……」
「かなり酷い状況です。」
聞きたくなかった病状。間質性肺炎には数タイプある、その中でも1番最悪なタイプ、寿命宣言をされるレベル。
ドズルはグッと涙をこらえ医師に事細かに今までのぼんじゅうるの症状と今後について話した。
「まず、今の症状では仕事には戻れないです。」
「はい」
「最悪の場合があります。」
「…はい」
「もし、乗り越えたとしても急激に病状が悪化することもあります。」
「……」
「大丈夫ですか?気を確かに……」
「……っは、い」
「……もって1年です。」
「…………」
ドズルは顔を覆い肩を震わせた。
(俺のポテンシャルが何の役にも立たなかった、何が医療系配信者だ、こんなに身近な人の病気も見逃してるのに…)
残してきた後輩達に知らせなきゃ、あの子達はトラウマになってないといいけど、大丈夫かな、気を強く持てるかな。
ドズルは病院の廊下で泣き崩れた、こんな姿誰にも見せれない。俺が折れたらだめなのに、でも長年連れ添った相方の死が近付ている、怖くて仕方がない。
「ぅっ、うぅ、、ぼんさん、嫌だっ……早すぎるっ」
声を殺し廊下の隅で泣いていると後ろからネコおじの声がした。
「ドズルさん!ぼんさんは?!」
「っ!ネコおじ…」
「えっ……ま、待ってくださいよ、な、なんで泣いてんすか??」
ネコおじは振り返ったドズルの顔を見て全てを察してしまった。感の良さがこんな所で役立つなんて思いもしなかった。
「っ……ネコおじ、ど、どうしようか、俺やってけるかな……」
「ま、待ってください、まさか、嘘ですよね?嘘だうそうそ!そんな、、」
「1年だ、、あの人、難病だったよ、それも最悪の、状態だ。」
ネコおじはガクりと腰を抜かし座り込む、はははっと乾いた笑いをしていた。頭がドズルの話を拒否している。
「…あの子達……大丈夫かなっ、」
「ははっ、、ドッキリですよね?冗談きついですよ。」
「…………」
「……ドズルさん、お願いします、ドッキリ大成功って言ってくださいっ!!」
お願いします!!と泣きながら両肩を力強くゆすられる。ドズルは俯きながら「そう言えたら良かったよ」とこぼした。
外は既に暗くなっていた。
どこかで夜を知らせる梟がホーホーと鳴いていた。
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