第二話 暑い炎
天の助とテリは、のんびり道を歩いていた。
「いい天気だねぇ……うん……?」
テリが空を見上げた瞬間――
太陽が落ちてきた。
テリ「えぇぇぇぇぇぇ!? なにコレぇぇぇ!?」
地面にドゴォォォンと衝突し、炎の塊が立ち上がる。
炎の中から、ひとりの男が歩み出た。
「……お前が噂の、新毛狩り隊を倒そうとしている――
ところ天の助だな!」
天の助「そうだが、なんの用だ?」
炎の男は胸をどん!と叩いた。
「俺は――ファイヤー!!
お前と“暑さ対決”がしたい!!」
テリ「対決内容が意味不明!!」
天の助はなぜかノリノリだ。
「いいだろう! 受けて立つ!!」
次の瞬間――
天の助が燃えた。
テリ「燃えてる燃えてる燃えてる!!」
ファイヤー「まだまだこれからだ!!」
炎とプルプルの暑さ対決は、数時間にも及んだ……
(※なにを競っていたのかは両者にすら分かっていない)
――と、ふと天の助が気づいた。
「……あれ、テリはどこだ?」
辺りを見渡すと、地面に一枚の手紙が。
『少女を助けたければ、Oブロック基地に来い』
ファイヤー「どうする、天の助?」
天の助「決まってるだろ! 助けにいくに決まってる!!」
◆ ◆ ◆
そのころ――Oブロック基地。
テリは鉄の檻に閉じ込められていた。
「天の助さん……」
蛇使いの隊長――へロードがにやりと笑う。
「助けなんて来ないぞ……」
テリ「来ます! 私は天の助さんを信じてますから!!」
その瞬間――
ドゴォォォォォン!!
天井を破壊し、天の助の上に馬乗りになったファイヤーが落ちてきた。
テリ「来たのは嬉しいけど姿勢がおかしい!!」
へロード「来たか……昨日はよくも部下を倒してくれたな!」
「いけっ! 蛇たち!!」
無数の蛇がうねりながら襲いかかる!
天の助「プルプル真拳奥義!!」
ファイヤー「ファイヤー!!」
二人「焼きたてところ天!!」
テリ「焼きたてのところ天って何!?」
謎の合体技が炸裂し、へロードは蛇ごと吹っ飛んだ。
へロード「ぎゃああああ!!」(退場)
テリ「ありがとう、天の助さん! ファイヤーさんも!」
ファイヤーは照れたように炎を揺らす。
「なぁ……頼みがあるんだが」
天の助「なんだ?」
ファイヤー「……俺も一緒に旅していいか?」
天の助「別にいいが? どうして一緒に?」
ファイヤーは熱く笑った。
「お前たちと旅したら――
とんでもなく暑い旅になりそうだからな!!」
テリ「なんだか、賑やかになってきたね」
こうして、旅の仲間がひとり増えた。
テリのツッコミは、さらに忙しくなる……!
コメント
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めっちゃワクワクドキドキの冒険でとても面白いです!! 続きも楽しみにしてます!!