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(がっ! げほっ! 今のはいけない! 生き物が食らっていい技じゃあない! 蓮くん、どうか無事でいて)
アキナの頭を焦燥が支配する。だがすぐさまグラウゼオの足音が耳に届き始めた。アキナはふらつきながらも立ち上がった。霞む視界の中央では、グラウゼオが着実に歩を進めている。
距離が二歩分まで縮まった。アキナはどうにか右脚を上げて、グラウゼオへと蹴りを入れる。
だがアキナの最後の足掻きは、グラウゼオの左手で容易く受け止められた。すぐさまとてつもない握力で握り込まれて、ボキリ。鈍い音が自分の脚から聞こえてきた。
(~~~~っ!)
右脚が離された。アキナは足を縺れさせて再び倒れ込む。尋常でない苦痛に意識が飛びそうになりながらも、アキナは顔を上げた。見返してくるグラウゼオの額のあたりには光の円が出現していた。
(光線で止めを刺す気? ダメだ、こんなんじゃダメなんだ。私は、私がみんなを……。どうなっても……)
だがそこでアキナの意識は途切れた。