テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
みら

213
901
#⛄️
kaede🍁
84,450
三文小説
991
その日。
阿部、渡辺、深澤の三人は、モデル撮影を終えて楽屋で私服に着替えていた。
「やっと終わったー。」
深澤が大きく伸びをする。
「今日の衣装可愛かったね。」
阿部も笑いながら頷いた。
「普段着ない感じだったから新鮮だった。」
その時だった。
渡辺がふと二人を見て首を傾げる。
「ねぇ。」
「二人とも、その下着。」
阿部と深澤が同時に振り返る。
「ん?」
「どうしたの?」
渡辺は少し笑いながら言った。
「ちょっとシンプルすぎない?」
阿部は自分の服を見下ろして苦笑する。
「そう?」
「気付いたらこういうのばっかり選んじゃうんだよね。」
深澤も頷く。
「分かる。」
「結局、無地で楽なの選んじゃう。」
渡辺は「やっぱりな」と笑った。
「二人とも、一回ちゃんとしたランジェリーショップ行った方がいいよ。」
「サイズもちゃんと測ってもらってさ。」
「えぇ?」
阿部が目を丸くする。
「測ってもらうの?」
「うん。」
渡辺は当たり前のように頷いた。
「サイズって自分で測るの難しいし。」
「思ってるサイズと違う人も結構いるらしいよ。」
深澤は少し照れ笑いを浮かべる。
「なんか緊張する。」
「最初はね。」
渡辺は笑う。
「でも店員さんも慣れてるし、すごく丁寧に相談に乗ってくれるよ。」
「それに。」
少し楽しそうな表情になる。
「一回行くと、絶対いろいろ欲しくなる。」
「色もたくさんあるし。」
「デザインも可愛いし。」
「見てるだけでも楽しいよ。」
阿部は興味が湧いたように身を乗り出す。
「そんなに?」
「うん。」
「俺も最初は見るだけのつもりだったのに、気付いたら何着も買ってた。」
深澤が笑う。
「翔太らしい。」
「でもちょっと気になるかも。」
渡辺は二人を交互に見た。
「じゃあさ。」
「今から行かない?」
「今日ならこのあと予定ないでしょ?」
阿部と深澤は顔を見合わせる。
「せっかくだし……。」
「行ってみる?」
「うん。」
阿部が笑顔で頷く。
「せっかくなら、ちゃんと自分に合うもの選んでみたい。」
深澤も小さく笑った。
「俺も。」
「今日は翔太先生に案内してもらおうかな。」
渡辺は少し得意げに笑う。
「任せて。」
「二人にぴったりのお店、知ってるから。」
三人は荷物を持つと、笑い合いながら楽屋を後にした。
モデルとしてさまざまな衣装を着るようになった今だからこそ、自分に合ったものを知るのも大切な時間。
そんな少し新鮮な午後が、これから始まろうとしていた。
___________
三人は渡辺に案内され、大型ショッピングモールの中にあるランジェリーショップへ入った。
店内には淡い色合いのランジェリーがきれいに並び、落ち着いた雰囲気が流れている。
「可愛い……。」
阿部が思わず小さく声を漏らした。
深澤も店内を見回しながら頷く。
「思ってたより入りやすいな。」
渡辺は慣れた様子で店員へ声を掛けた。
「すみません。」
「サイズを測ってもらいたいんですけど。」
店員は優しく微笑む。
「もちろんです。」
「三名様ともでしょうか?」
「はい。」
渡辺が頷くと、店員は試着室へ案内してくれた。
「では、お一人ずつ採寸いたしますね。」
阿部と深澤は顔を見合わせる。
「……なんか緊張する。」
「分かる。」
深澤も苦笑した。
渡辺はそんな二人を見て笑う。
「大丈夫。」
「すぐ終わるから。」
「最初はみんなそうだから。」
まず最初に呼ばれたのは阿部だった。
「阿部様、どうぞ。」
「はい。」
少し緊張した様子で試着室へ入っていく。
数分後。
カーテンが開き、阿部が戻ってきた。
「どうだった?」
深澤が聞く。
阿部は少し照れながら笑った。
「思ったより全然恥ずかしくなかった。」
「店員さんがすごく優しくて。」
「サイズも今まで思ってたのと違った。」
「やっぱり!」
渡辺は満足そうに頷く。
「だから測ってもらった方がいいって言ったじゃん。」
続いて深澤が呼ばれる。
「深澤様、どうぞ。」
「行ってきます。」
深澤も少し緊張しながら試着室へ入っていった。
戻ってくると、少し驚いたような表情をしている。
「俺もサイズ違った。」
「なんかちゃんと測ってもらうって大事なんだな。」
「でしょ?」
渡辺が笑う。
最後は渡辺。
店員とのやり取りも慣れた様子で採寸を終えて戻ってきた。
「じゃあ。」
渡辺が店内を見回しながら言う。
「ここからが本番。」
「二人に似合うの、一緒に選ぼう。」
阿部と深澤は少し照れながらも笑顔で頷いた。
「よろしく、翔太先生。」
「任せて。」
渡辺はそう言うと、楽しそうに店内の奥へ歩き出した。
三人の少し特別なお買い物は、まだ始まったばかりだった。
___________
採寸を終えた三人は、店内をゆっくり見て回っていた。
色とりどりのランジェリーが並び、阿部と深澤は思わず足を止める。
「こんなに種類あるんだ……。」
阿部が感心したように呟く。
「俺、こんなにちゃんと見たことなかった。」
深澤も頷いた。
「選ぶだけで一時間かかりそう。」
渡辺はそんな二人を見て笑うと、一つのコーナーへ案内した。
「まず覚えておいて。」
「ブラとショーツは、基本セットで買った方がいいよ。」
「セット?」
阿部が首を傾げる。
「うん。」
「上下そろってる方が気分も上がるし、デザインも統一されてるから可愛いんだよ。」
「なるほど……。」
阿部も深澤も納得したように頷く。
「じゃあ今日は俺が選ぶ。」
渡辺はそう言うと、楽しそうに商品を見始めた。
「翔太先生、お願いします。」
深澤が笑う。
数分後。
「これ。」
渡辺が二人へ差し出したのは、上品なレースがあしらわれた、セクシーなデザインの際どいランジェリーだった。
普段二人が絶対に選ばないような雰囲気だ。
阿部は目を丸くする。
「えっ、これ?」
「似合うと思う。」
渡辺は自信満々に頷く。
深澤も商品を手に取りながら苦笑した。
「翔太。」
「結構攻めるね。」
「せっかく来たんだから。」
「いつもと違うのもいいじゃん。」
阿部はランジェリーを見つめながら、小さく笑った。
「これ……。」
「めめに見られたら、びっくりするだろうな。」
少し考えてから、照れ笑いを浮かべる。
「というか……。」
「腰終わりそう。」
「何それ。」
渡辺と深澤が同時に吹き出した。
深澤も負けじと手に持ったランジェリーを見つめる。
「俺もこれ着てたら……。」
「照、絶対固まる。」
少し間を置いて苦笑する。
「翔太に選ばせたら、命がいくつあっても足りないよ。」
「褒め言葉ってことでいい?」
渡辺が得意そうに笑う。
「うん。」
「ちがう。」
そう言いながらも、深澤はそのセットを買い物かごへ入れた。
カタン。
その音を聞いた阿部は目をぱちくりさせる。
「え。」
「買うの?」
深澤は照れ笑いを浮かべる。
「買うよ。」
「たまには冒険。」
阿部も思わず笑ってしまう。
「じゃあ俺も。」
そう言って、渡辺が選んだセットを自分のかごへ入れた。
それを見た渡辺は、思わずツッコミを入れる。
「買うんかい!」
深澤も同時に笑う。
「あべちゃんもじゃん!」
店内には三人の笑い声が響き、近くにいた店員も思わず微笑んでいた。
新しいお気に入りとの出会いに、三人は少し照れながらも、どこか楽しそうな表情を浮かべていた。
コメント
1件
お疲れさまです〜!美月ゆめかです🌸 第1話、めっちゃ良かったです…!三人のモデル仲間がランジェリーショップに行くって、なんか新鮮でエモい〜!渡辺くんの「買うんかい!」ツッコミ、めっちゃツボでした笑 阿部くんの「腰終わりそう」発言も、深澤くんの「照、絶対固まる」も、それぞれのカップル想像しちゃってキュンとしました😭💕 普段の仕事着とは違う自分探し、一緒に楽しむ兄弟感が最高です!次の話も絶対読みますね!⋆♡