テラーノベル
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俺・さぁーもんは幼馴染がいた。
小さい時、もう2歳か3歳くらいの時に隣の家に引っ越してきたのが、ななっしーこと七志だった。
だから、幼稚園も小学校もずっと一緒だった。
ななっしーは昔から可愛くて、笑顔がすっごく眩しい子だった。
勉強も出来て、運動も出来て。
そんなななっしーにつられて俺も頑張れていた。
今思えば、その頃の俺はななっしーのことが好きだったんだろう。
他の誰でもない、ななっしーのことが。
ななっしーの行きたい私立の中学に一緒に行きたくて、寝る時間も削って勉強した。
当時は本当に辛かった。
けど、今思えばそんな時間が1番幸せだったような気もする。
『ねえ、さもくん。これあげるよ。』
中学校に入って一年が経った時、ななっしーが紙袋を渡してきた。
中には水色のパーカーが入っていた。
『似合うと思って。』
ななっしーのあの時の幸せそうな顔が忘れられなかった。
それがいずれ苦い思い出になるとは思っていなかったから。
あの日、何度も悔やんだ日、俺はななっしーと花火大会に行っていた。
ななっしーは花柄の着物を着ていて、すごく可愛かったのを覚えている。
かく言う俺はななっしーから貰ったパーカーをきていた。
2人で屋台を回って、話して、笑って、楽しかった。
____楽しかったんだ。
それがななっしーとの最後の思い出だった。
2人とも人混みが苦手だったから、花火は近くの公園で見ることにした。
花火はすごく綺麗に見えるのに、穴場だったからか誰も人がいなかった。
花火が終わりそうな時ななっしーが話を始めた。
『私、さもくんのことが____』
続きを、聞きたかった。
だけど、その続きを聞くことは一生なかった。
『!?あぶない!!』
その時、聞こえた音は花火の音だったのか、はたまたトラックがぶつかる音だったのか、覚えていない。
血の匂い、吐き気、狂ったような金属の匂い。
あの日の出来事は鮮明に思い出せる。
当時は本当に、頭の理解が追いつかなかった。
後から聞いた話では、俺の後ろからトラックが突っ込んできていたらしい。
ただ、当時の俺にはそんなことを瞬時には理解できないまま、大好きな、大切な人の、
グチャグチャの死体を見ることしかできなかった。
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