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**第3話:忍び寄る影と、俺の壊滅的なノート(慶太視点)****【背景:1年B組の教室・翌日の放課後】**
「よしっ……できた!!」
放課後の夕暮れ時。
俺、加山慶太(かやま けいた)は、誰もいなくなった教室で満足感たっぷりにノートを叩いた。
加山 慶太
「聖羅さん! 見てくれよこれ! 昨日教えてもらった『加』の字、完璧に書けたぞ!」
緑 聖羅
「どれどれ……どれどれどれ……」
隣に座る聖羅さんが、身を乗り出すようにして俺のノートを覗き込む。
ふわりと甘い香りがして、顔がちょっと近すぎる気がするけど……まあいいか!
緑 聖羅
「……慶太。これ、左が『力』で右が『刀』になっているわ。それは『加』ではなく『切』に近い何かよ」
加山 慶太
「えっ!? マジで!? 口じゃなくて刀描いてた!?」
緑 聖羅
「ふふっ、本当に慶太の脳内ロジックは不可解ね。でも……昨日より筆圧が安定しているわ。偉いわね」
加山 慶太
「へへっ、だろー!」
聖羅さんが優しく目を細めて、俺の頭をポンポンと撫でてくれる。
学校で一番頭が良くて綺麗な聖羅さんに褒められると、なんだか胸の奥がカッカと熱くなってくる。俺、単純だからな!
――その時だった。
ゾクッ……!!
背筋に、氷を直接突っ込まれたような強烈な寒気が走った。
加山 慶太
「うおっ!? なんだこの寒気……!? 教室のエアコンついたか?」
陣内 蓮
「いや慶太……エアコンじゃねえ……ドアのところ見ろ……!」
入口でガタガタと震えている親友の蓮が、青ざめた顔で教室の後ろを指さしていた。
**【教室のリアドア(廊下)】**
ガラリ……。
ドアが静かに開き、そこに立っていたのは――
スーツをピシッと着こなした、背が高くてめちゃくちゃイケメンの男の人だった。
ただし、目が笑っていない。
というか、俺を殺気満々の目で睨みつけている。
緑 聖羅
「っ……!? お、お兄様……!? なぜここに!?」
加山 慶太
「お兄さん!? 聖羅さんのお兄さんなのか! うわ〜、めちゃくちゃイケメンだな!」
緑 翔太
「……ふん。妹が世話になっているようだな」
聖羅さんのお兄さん――翔太さんは、凄まじい威圧感を放ちながら、ゆっくりと俺たちのデスクへ歩み寄ってきた。
緑 翔太
(……ふん、見た目はただの能天気そうな男か。だが油断はならん。聖羅をたぶらかし、門限を破らせた狐のような腹黒い男に違いない……!)
翔太さんは鋭い眼光で俺を射抜くと、机の上のノートを冷酷に見下ろした。
緑 翔太
「キザな手口で聖羅に近づいたようだが、俺の目はごまかせんぞ。……で、一体どんな知的な会話で妹の気を引いていたんだ?」
加山 慶太
「え? 知的な会話……? いや、俺が自分の名前を書けないから、聖羅さんに書き方を教えてもらってたんだ!」
緑 翔太
「……は?」
翔太さんが一瞬、ピタッと固まった。
緑 翔太
「名前が……書けない……?」
加山 慶太
「そうだぞ! ほら見てくれお兄さん! これが俺の渾身の『加山けいた』だ!」
俺が胸を張って差し出したノートには、ミミズがのたうち回ったような『切山けいた』の文字。
翔太さんはノートと俺の顔を交互に見比べ、それから聖羅さんを見た。
緑 翔太
「聖羅……お前、全国模試1位の頭脳を使って……この男にひらがなと漢字を教えているのか……?」
緑 聖羅
「ええ! 慶太の脳はとても魅力的で、観察しがいがあるのよ!」
緑 翔太
(バカな……! 妹を惑わしていたのは、腹黒いライバルでもキザなモテ男でもなく――本物の『ド級のバカ』だと……!?)
翔太さんは頭を抱え、深々とため息をついた。
緑 翔太
「……理解不能だ。聖羅、こんな男のどこに惹かれた……?」
緑 聖羅
「ひ、ひひひひ惹かれたなんて言ってないわ!! ただの『観察対象』よ!!」
顔を真っ赤にしてパニックになる聖羅さん。
加山 慶太
「お兄さん! 俺、バカだけど、聖羅さんと過ごす放課後めちゃくちゃ楽しいんだ! だから、これからも聖羅さんに勉強教えてもらいたい!」
まっすぐお兄さんの目を見てそう言うと、翔太さんは苦虫をかみ潰したような顔で俺を睨み返した。
緑 翔太
「……認めん。緑家の人間に相応しくない。……いいだろう、加山慶太。次の期末テストで、全教科赤点を回避してみせろ。できなければ、金輪際聖羅には近づかせん!」
緑 聖羅
「お兄様! 慶太にそれは酷だわ! 彼は『加』の字も書けないのよ!?」
加山 慶太
「よし、やってやるぞ!!」
緑 聖羅&陣内 蓮
「「安請け合いするなーーーーーっ!!!」」
こうして、過保護なシスコン兄から「赤点回避」という無理ゲーすぎる試練を突きつけられたのだった――!
コメント
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第4話、読み終わったよ〜!🤍 お兄さん登場からの「理解不能だ」の流れ、めっちゃ笑ったw 慶太くん、まさか名前が書けないってバレるとは思わない展開で…でも真っ直ぐなところが逆に好印象すぎる。聖羅さんが「観察対象」って言いながら顔赤くしてるの、可愛すぎてにやけた🥀 次回、赤点回避の特訓、応援したくなる!