テラーノベル
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本作品は病み系統の作品になります。今後暴力表現や刃物が出てくる場合があります。
注意してお読みください。
俺が高校に入学してから、一ヶ月も経たないうちに虐められていることは
どれくらいの人が知っているのだろう。
赤「おはようございます…」
俺はいつも通り、小声で挨拶をしながら教室の扉を開ける。
すると当たり前のように上から水がかけられた。
虐「うっわ、濡れたまま入ってくんなよw」
クラスの中で仲間はずれにされているのはずっと俺だけ。
他の皆も俺のことを空気のように扱う。
チラチラと見られながら濡れた床を拭いて、荷物を持って廊下へ出た。
俺が居なくなると教室の雰囲気が変わり、皆の話し声が聞こえてきた。
今日の朝は、まだいつもよりましな方だ。酷いときは暴力を振られるから。
いつものように廊下で佇んでいると、養護教諭の先生に見つかった。
桃「君、濡れてるけど大丈夫?風邪引くとだめだからこっちおいでっ?」
優しく手招きをしてくれる先生の笑顔は、どこか寂しそうに見えた。
桃「よいしょっと、入っていーよ」
赤「…失礼します。」
桃「あそこにスペースあるから着替えておいで」
先生から着替えを受け取り、カーテンの向こう側に行く。
制服は水で肌に張り付き重たくなっていた。
暫くして着替え終わりカーテンを開けると、先生がココアを用意してくれていた。
桃「アレルギーとか無かったら、ココアどーぞっ」
受け取ると、入れ立てだからか温かみを感じた。
椅子に座りゆっくり飲むと、体がじんわり熱くなってゆく。
赤「…、」
空になったコップを見つめていると、先生が手を止め此方へ来るのが見えた。
桃「飲み終わった?洗っておくから座ってな」
赤「ありがとうございます。」
そうして俺は椅子に座った。すると、温かい飲み物を飲んだせいか眠気が襲ってきて
うとうとしているところを先生に手を拭きながら見られてしまった。
桃「眠たいなら、ここのベッド使っていいよ~」
赤「あ、…はい。」
俺は重たい体をベッドに預け、目を瞑った。
桃「そうだ、名前聞いてもいーい?」
赤「、りうらです」
桃「りうらくん!よろしくね。」
先生がカーテンを閉める音を聞いてゆっくり起き上がる。そして
隠し持っていたカッターで腕を切った。
切れ端から血が滲み出てくるのを見ながら無心で切り続けた。
赤「…、これくらい…虐めに比べたらましだよね。」
一度だけ、と腕にカッターを強く当てて切ると血が垂れるくらい出てきてしまった。
赤「いった…」
焦ってしまい、どうしようか考えていると
カーテンの向こうから先生が近付いてくるのが分かった。
桃「りうらくん~?どうしたの?」
赤「あ、えっと…なにも、」
何もないです。そう言おうとしたときにカッターが音を立て落ちてしまった。
桃「手当てするからおいで。」
先生はそう言うとカーテンを優しく開け、消毒液や包帯を用意した。
桃「辛かったね~、」
先生が俺の腕に消毒液を垂らした瞬間、針で刺されたかのような痛みが傷の周りを刺激した。
深呼吸をしながら包帯が巻かれるのを待っていると、虐めっ子が保健室に来た。
虐「お、お前ここに居たんだぁw」
赤「…なんですか、ここまで来て。」
虐「口答えすんの?w」
赤「いや、べつに…」
虐「早く教室戻れよっ」
虐めっ子が俺の傷ついてる腕を強く掴んだ。
虐「なんだよこれ、wしょうもねぇなぁw」
虐めっ子が包帯を掴み、外していく。
桃「君、手離して。」
虐「先生には関係ないじゃーんw。邪魔なんですけど~」
桃「先生に向かって邪魔とは失礼な。近付くな言うてんだろ」
虐「あ゛ーうるさいなぁっ」
桃「…いい加減にしろ」
先生が声色を変え、虐めっ子の肩を掴む。
虐「はいはい、分かりましたよ。」
そう言い残し、虐めっ子は保健室から逃げていった。
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「屋上で待ってるからね_」
コメント
4件
やばい…… この作品も好きすぎる… これからも頑張ってくださいっ!!
何 処 か で み た こ と あ る ぞ 😏 ✨️