「目黒、今少し良いか?」
今日の仕事を全て終えた岩本が、楽屋で楽しそうにラウールと話していた目黒を…人気の無い場所に呼び出した
「岩本君、どうしたの?」
なんと切り出して良いのか分からず、困っていると目黒の方から声を掛けて来る
こうなったら直球勝負だと、思っている事を包み隠さず言葉にしてみる事にした…
「舘さんから翔太の事を聞いたと思うけど…アイツと付き合ってるの俺なんだよね…」
突然の告白に、驚いた様子の目黒
「何で、そんな事俺に…?」
「なんか、俺だけお前が翔太の事好きだって知ってるの…フェアじゃないと思ったんだよね…」
目黒のもっともな質問に、俺は頭を掻きながら気まずそうにそう答えた
「………」
「嫌なんだ。メンバー同士で腹の探り合いしたりするの…プライベートの事なら尚更さ…」
岩本も宮舘同様、真っ直ぐで不器用な人なんだと驚いた
言わなくて良い情報を、恋敵の俺に伝えるなんて…
「そうですね…俺も、腹の探り合いはしたくない」
顔を上げ、岩本の目をジッと見つめてそう告げた
「目黒が、どうするかは今は聞かない…今日は、俺の気持ちを伝えに来た」
「岩本君の気持ち?」
「あぁ…目黒が翔太に気持ちを伝えても、伝えなくても…俺は、翔太を誰にも渡すつもりは無い」
そう真剣な顔で言われて、心臓の音が速くなる…
「ラウールと喋ってたのに呼び出して悪かった。でも、それだけ伝えておきたかったから…」
そう言った岩本の顔は、元の優しい顔に戻っていて
「それじゃ、先に行くわ…呼び出して悪かった」
そう言いながら目黒の肩をポンと叩くと、岩本は1人で先にその場を去った
◇◆◇◆
「はぁ…」
『メンバーに牽制するなんて、少し大人げなかったか?』
岩本は、廊下を歩きながら考える
目黒にさっき伝えた事は、紛れもなく全て自分の本心で…
「言いたい事は言えたし…まぁ良いか」
これからは前向きに考える様にして、ウジウジと考える事はもう辞めた
「さてと、今日はケーキでも買って帰るかな…」
今も翔太は怒っているだろうし、きっと深澤もまだ側に居てくれているはずだ
岩本は3人分のケーキの入った箱を持ち、自宅のチャイムを指で押した…
三章【完】
コメント
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まさかの章跨ぎに驚き😳😳 戦ういわめめ見れそうで大興奮です😍