【怖い話】『八尺様』
プロローグ
皆さんこんにちは。今回の話は知ってる方が多いのでは無いでしょうか?あの有名な話を今回は自分風に書いてみたので知ってる人も知らない人も読んで言ってくださいね。
本編↓
これは、俺がまだ16歳だった昔の話。
父さんと母さんが海外に出張で家を空けることになった。その代わり俺は田舎の爺ちゃんの家に預けられた。
爺ちゃんの家はデカいけど…暇な上、爺ちゃんは厳しい。婆ちゃんは、優しくていっぱいご飯を作ってくれるけど…ちょっと小言が多い…
でもなんやかんや2人とも大好きだけど。
爺ちゃんの家に着くと、俺は久しぶりに道をぶらぶらしてた。久しぶりに会った親戚の人達と話をしたり昔好きだったらしいお菓子を貰ったりして帰りがうんと遅くなった。
夕方…と言っても5時辺り?だった。
外を歩いていたら森の方向に背丈の高い女性がいた。
かなり遠くからだったけど…ここでも背丈が高いことがわかった。隣に2mを超える塀があったけどそれを越すぐらい高かった。
その女性は、俺を見つけるなり…
ぽぽぽ…
そんな変な音みたいな声みたいなのを出して森へと消えてった。
そんな話を夕食中ベラベラ〜と爺ちゃんと婆ちゃんに話した。最初は「そうかい。」とか「そんな人がいるのねー」みたいに読み流し程度だったけど、話していくにつれ爺ちゃんと婆ちゃんの顔色が変わった。
爺ちゃんはほとんど質問攻め。婆ちゃんは涙を流して顔を抑えてた。
俺はこの時何があったかも分からなかったけど、やばいと言うことだけはわかってた。
爺ちゃんは俺を質問攻めするなり婆ちゃんに俺を任せ、どこかに電話をかけだした。婆ちゃんは「もうその年なのね。」と言いながら俺をトイレに連れて行った。トイレするのはいいけど…扉は閉めさせてほしかったな。
ほんとにやばいんだな。ってここから俺は焦りだした。何かが俺を連れていこうとしている。そんな気がした…
しばらくすると寺の坊さんが来てお経を唱え始めた。そして御札をもらい二回の部屋に連れてかれた。
二階の部屋は不気味だった。窓は外から覗けないように新聞紙で張り巡らさせてあって、部屋の四角には盛り塩が置いてあった。
「いいか。今夜はこの部屋で過ごせ。そして何があっても部屋から出てくるな。俺も婆さんもお前を呼ぶことはないし、お前は誰にも呼ばれないはずだ。朝7時になったら1回に降りてこい。」
そして部屋の扉がしまった。
部屋で1人になった。今起こってることをまとめてみた。
どうやら俺は八尺様という厄介な者に取りつかれたんだって。八尺様は神のような妖怪なような者で、気にいった人がいたら、魅入るんだって。でも八尺様が動き出すのは10年に1度。それが今日だった。
八尺様の特徴は、名前の通り八尺(2m以上)合って、「ぽぽぽ」とか奇妙な声を出している。見た目とかは場所によって違うとかあるらしいんだけど、多いのはワンピース姿で帽子を被ってるんだって。
最初の方はよくできた話だなって笑っていたけど、今は笑うことすら出来ない。とりあえず、布団の上に座ってテレビをつけて時間を潰そう…そうすれば…きっと…朝に...
何かを感じて急に目が覚めた。時間は…多分1時辺りかな。外は真っ暗って分かるし家の電気も消えているだろうな。そのせいでまさに恐怖が増す…
コツコツ…コツコツ…
窓を叩く音?いやいや、ここは二階の部屋だから窓なんか叩けるわけない。きっと奴が来たんだ。
「おーい大丈夫か?怖けりゃ無視せんでいいぞ。」
「こんなお芝居に付き合ってくれてありがとうね。さぁ、部屋から出て大福でも食べような」
良かった。芝居だったんだ。一瞬だけそう思った。だけど、爺ちゃんは、絶対に話しかけないと言っていたし多分罠だ!
怖くて怖くて…御札を肌に話さず持って強く握って祈り始めた。ふと目を開けると…盛り塩が黒く変色していた。それだけじゃない…御札も黒く滲んできている…
外からぽぽぽ…と声が聞こえる…
早く、早く!悪夢なら覚めてくれ!!!
はっ!っと目が開いた。時間は7時過ぎていた。多分昨日は夢中で祈っていたら寝たんだ…そう思っとこう。何も考えない方がいい。
部屋から出ると、出張に行ったはずの父さんと母さんが。2人は泣きながら俺を抱きしめた。なんか言っていたけど俺は何も聞こえなかった。
坊さんや親戚の人たちが何人かいて…何かを話している。
急に車に乗せられて俺は2人に挟まれ、後ろに3人。前に2人(運転席と助手席)そして、車の後ろにはもう1台の車があった。
いいと言うまで目を開けるな。それまでは目を塞いでろ。そう隣の人から言われて俺は言われた通りにした。
プロロロ…
今のところは何も無く、ただ車が動いているだけだ。
俺は目を瞑って、下を向いていたけど…やっぱりどこかでは八尺様に恐れていて…まるで既に後ろにいるようだ。
その時。
ぽぽっ…ぽぽ…
あの声だ…
コツンコツン…窓を叩いている音。周りは八尺様は見えていないようだけど、音は聞こえているらしくて、「なんだ?」とか「窓を叩いているのか?」とか。
俺は気になってつい目を窓に向けて開いてしまった。
見たのを後悔した…車はゆっくり発射しているものの、人が走って追いつけるスピードでは無い。でもそのスピードに追いついて窓を叩いている。
その言葉に俺は慌てて目を塞ぐ。
どれくらい過ぎたのだろう…何時の間にかぽぽと言う声は聞こえなくなっており、やがて静かになった。
「よし。よく頑張ったな。もう目を開けていいぞ」
どうやらお地蔵さんがあり、そのお地蔵さんを過ぎると八尺様は着いてこられないのだという。
怖かった…
俺はそのまま家に帰らされた。
仕事も大切だけど、息子をしっかり見てやれって。爺ちゃんが父さんに叱ってたな。
家に帰ったらすぐ部屋に行って寝た。ほんと丸一日寝たなぁ。
あの後、俺は色々なことを教えて貰った。
昔夜中に部屋から出てそのまま殺された人がいるんだって。八尺様はあらゆる手段を使って殺そうとしてくるからかなり厄介らしい。
ちなみに昨日、声をかけたかって聞いたらかけてない。って言われた。
数日後。
プルルル…プルルル…ガチャ。
母さんが下で電話している…
「…そうなんですか…気をつけます……」
ガチャ
電話が終わり次第母さんは俺の部屋に来て、電話の内容を教えてくれたんだけど。
爺ちゃんが死んでしまったこと。お地蔵さんが誰かの手によって壊されたこと。
だから俺らの家に八尺様が行くかもしれないから気をつけろ。との事。
今は婆ちゃんも死んじゃって、向こうの状況は何も知らない。だけどたまに聞こえるんだ。
ぽぽぽ。ってね。
ぽぽ…ぽ、ぽぽ…
エピローグ
皆様、どうでしたか?
八尺様に魅入られたら、数日のうちに殺される。ですが八尺様はある地蔵様を超えたら追いかけられなくなる。ですがそんな地蔵様も誰かに壊されました。語り手はどうなったのでしょうか?きっと八尺様はもうすぐそこにいるでしょうし。そんな八尺様は地域によっては見た目も変わるそうです。作業員の服を着ていたりとかするらしいんですが…頭に何かを被っている。2mの身長がある。変な声を出している。この共通点は変わらないらしいですよ。ではまた次のストーリーでお会いしましょう!
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