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:温泉旅館・夜の和室(寝る前)
布団が4組、並べられて敷いてある。
電気はすでに落とされて、ふんわりと間接照明だけが灯る部屋。
ふかふかの布団の上、あなたは一番端に座っていた。
すると――
「ねぇ○○、どこで寝るの?」
隣に来たのは滉斗。湯上がりの髪がまだ少し濡れていて、
パジャマ姿で、ちょっと子供っぽく見える。
「俺の隣、空いてるよ? ここ、ぽかぽかにしといたし」
「……ぽかぽかって、まだ寝てもないじゃん」
元貴がクッションを抱えながら近づいてくる。
「○○、こっち来て。滉斗の隣とか、寝返りうったら巻き込まれそうだし」
「は? 俺寝相いいし!!」
「元貴こそ、寝てる間に○○抱きしめそうじゃん!!」
「……そっちの方がいいかもしれないでしょ?」
あなたが口を開こうとした瞬間――
涼架が布団の奥から声をかけてくる。
「○○、もう決めた?」
「俺はどこでもいいけど。……ただ、俺のとこに来てくれたら、ちょっと嬉しいかな」
その静かな一言に、空気がピリッと変わる。
滉斗:「いや無理無理無理、今日だけは譲れん!○○、おいでっ!ほら、俺ぎゅーして寝るの得意だよ?」
元貴:「俺も得意ですけど?てか、○○の好きな香りの柔軟剤つけてきたし。アピール済み」
涼架:「2人とも、うるさい。○○が迷ってるだろ。……なあ、○○。今夜は俺だけを見てよ」
(え、えええ!?)
胸がドキドキする。息がうまくできない。
でも、そんな迷うあなたに
――涼架が、ひと言。
「じゃあさ。誰の隣で寝たいか、耳元でこっそり言って?」
「選ばれなかったら……そのときは俺たち、ちゃんと諦める。……たぶん」
滉斗:「……え、でも俺、選ばれなかったら泣くかもしんない」
元貴:「俺は絶対拗ねる。しばらく口きかないかも」
涼架:「俺は……何も言わずに連れ去るかも」
(全然諦める気ないじゃん……!!!)
あなたが悩みに悩んで、ようやく一人の名前を囁く。
◯◯は誰を選ぶのか!?
滉斗を選ぶ:
「よっっしゃあああああ!!!!」
「○○、大好き!!!! ほんっとに好き!!!!」
ぎゅーーーーーっと全力で抱きしめられ、
あなたの頭にチュッとキスが落ちる。
「今日は絶対、絶対、離さないから」
「夢の中でも俺のことだけ見てね?」
元貴を選ぶ:
「……やば、泣きそう……いや泣いてないけど」
「○○、ありがと……俺、ちゃんと甘やかすから」
あなたの手を握って、ぴったりと布団に入る。
「好きって何回言ったら伝わるかな」
「……寝るまで、言い続けていい?」
涼架を選ぶ:
「……ふふ、選んでくれてありがとう」
「今日はもう、○○の全部、俺のもの」
優しく髪を撫でられながら、布団に引き込まれる。
耳元で、ふわりとささやかれる。
「眠れない夜にしてあげる。……俺の声で」
そして――
他の2人は、しょんぼりとしつつも、あなたにだけは優しく声をかける。
滉斗:「明日は、俺の番な?絶対だかんね?」
元貴:「……また取り返しに行くから、覚悟しといて」
涼架:「……油断しないことだね」
その夜、あなたは、3人分の“好き”に包まれながら、
布団の中でそっと目を閉じた。
次回、翌朝、取り合い再発!?