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2話   レシート

ピロン_スマホの通知音がなる。

「誰からだろう」

そう思いスマホを除く。先輩あの人からだ。


【昨日はごめんね〜。あれはなんというか…友達のせいなの!ほんとにごめんね。あ、自己紹介してなかったね!ごめんごめん!

私は3年4組の加藤かとう彩花あやかよろしくね!

良ければ君の名前教えて欲しいな! 】


…長い、レシートみたいだ。あ、返信しとかないと。


【全然大丈夫です。俺は2年1組山川やまかわ拓真たくまです。】


送信っと_


画面を閉じた瞬間、ふぅっとため息が出た。

頭のどこかで昨日の出来事がリピートしているみたいだ。


眠い…。だけど学校行かなきゃ。


今日も早く来てしまった…もう少し寝ていたら良かったのかもしれない。


「拓真!今日も早いな…なんかあった?」

「圭介うるさい。別になんも無いけど。」

「そっか」


圭介けいすけとは小さい時からの腐れ縁だ。圭介は…普通にうるさくて猿みたいだ。


また寝ていた。これで何度目なんだろう…最近は気づいたら午前中の授業は終わっている。まぁ別にいいんだけど。


ピロン_

【やっほー拓真くん!彩花だよ!君さ部活入ってなかったよね!だから今日の放課後付き合って!!じゃあ放課後屋上集合ね!】


勝手に決めてる…まぁ暇だからいいけど。


【わかりました。】

送信_

今日は頭が周りそうに無い。とりあえず寝よう。




放課後_

屋上来たけど何するんだろう…

「拓真くん!良かった来てくれた!」

「…まぁ来いと言われたんで」

来ないと思っていたのだろうか…少し悲しい

「ありがとう!ごめんだけど手伝ってもらっていい?」

「はい 」

受け取った袋にはカップラーメンが入っていた。

「ごめんね〜付き合ってもらって」

「大丈夫です。でもなんでカップラーメン?」

「夢だったんだ。」

…夢?なんだろう

「誰かと屋上でカップラーメン食べる事!」

「じゃあ俺じゃなくても…」

「いいのいいの!」

やっぱりおかしな人だ。


カップラーメンにお湯を入れて三分待つ。するといい匂いがしてきた。


「いただきます!」

そう元気に先輩は言って食べ始めた。

「私ね、死ぬまでにやりたい事100を昨日作ったの!まだ50個くらいしかできてないけどね!」

「食べながら喋らないでください。」

「ごめんごめん!」


「まぁ今回だけ許します。」

「ありがとう!」


先輩の笑顔は眩しかった。


西日が差し込む屋上で、風がカップラーメンの湯気をふわりと散らしていく。


その横顔は、俺とは全然違う世界の人みたいで_なぜか、目を逸らせなかった。


「ねぇ!また私のやりたい事100の消化手伝ってくれる?」


「はい」

この言葉を言えて良かったと俺は思う。

ヒーローにはなれっこ無い

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