テラーノベル
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直哉「可愛らしぃな。強がらんでええで。甚爾くんが気持ちよぉなれるんやったら、それでええから。」
甚爾「もぉいいから…、やめて…」
直哉「なんで?気持ちよぉなかった?」
甚爾「気持ちよくない…」
直哉「痛い?」
直哉はしつこく聞いた。
甚爾は服を着た後嫌がって部屋から出て行った。
直哉「なんや、ひ弱やな。」
甚爾の頭の中は恐怖で埋め尽くされていた。
それでも、涙は出なかった。
直哉から逃げた甚爾。
でも途中から足がすくみ、立ち上がれなくなった。
廊下の隅でうずくまっていた。
女中1「…?」
(あれは…)
「どうなさいました?」
甚爾「…なんもない…」
女中1「お腹が空いたのであれば、すぐに何かお持ちしますね。」
甚爾はこく、と頷いた。
女中は少し安心して、厨房へ足早で向かった。
しばらくすると、女中は木皿に乗った二つの握り飯を手に戻ってきた。
こんなだだっ広く、部屋を探すのも一苦労なのに、どうやってここまで来たのだろうか。
女中「おにぎりをお持ちしました。これで満腹になるかは分かりませんが、是非お召し上がりください。」
甚爾はただ頷くだけだった。
それでも、女中は微笑んで去っていった。
コメント
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読みました。直哉のしつこい問い詰め方と、それに対して「気持ちよくない」としか言えない甚爾の苦しさが、静かに胸に刺さりました。涙すら出ないほどの恐怖で埋め尽くされているのに、女中が持ってきてくれたおにぎりには素直に頷く。その対比が、このエピソードのタイトル「助け」をじんわりと効かせているなと感じます。小さな優しさだけが、かろうじて彼をつなぎとめている——そんな読後感が残りました。