ギ/ャ/グ/日　小 説

♡　日和 より 飛鳥組 （ 💙🍛×❤️🍠 ） 小説

⚠︎　キス 、 赤面 表現注意　❤️視点

💙🍛:『』

❤️🍠:「」

mob:“”

…聖徳太子。

誰かがその名前を挙げた瞬間、僕は不意にぴくりと反応してしまう。

＿＿＿＿何時からだろうか、僕がこうなってしまったのは。

そう考えると、あの人と出会った時から今までずっと変わっていなくて…

最近からこうなった、という訳でもなかったのかもしれない。

いつだっただろうか。僕が、あの人と初めて一緒に遣隋使として仕事をし始めた時から今まで ずっと一緒に仕事をしてきた。だから、あの人がいなかった日やいなかった時間は、 なんだか喉の奥に何かが突っかかった様な違和感があった。何かが物足りない、 そう自然に考えている気がした。

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そんなことを考えていると、勝手に僕の口が自然と阿呆な事を口走っていた。

「…太子、」

ハッとして咄嗟に口を塞ぐも、時すでに遅し。後ろを振り向くと、あの人──

太子が呆然とした顔でこちらを見ている。自分の顔が、見る見る内に赤く染まるのを感じた。

「いえ、なんでもありま＿＿＿＿」

むにゅ、と唇に暖かい感触が伝わる。太子の細かな息遣いが耳元で聞こえる。

僕は咄嗟に目を逸らそうと、キョロキョロと周りを見渡すがどこを見てもこっちを怪訝な目付きで睨みつけてくる人や、もう無理だ耐えられない、と言わんばかりの今にも吐き出しそうな人、そして全く違う意味で耐えられなさそうな女性など様々なこちらを見る人と太子以外何も見つからない｡

この現実から目を背けたい、とギュッと目を瞑る。ただ、そこにはザワつく空間の中響き渡る水音と息を切らす自分、そして太子が在るだけだった＿＿。

『ｯ…、す、すまん妹、子……、つ、つい…』

「はｯ、ぉや…、太子が謝ることじゃｯ、ないです、よｯ…」

朝廷中に気まずい空気が漂う中、太子は話を続けようとする。

『じ、実は…、前から妹子のことが＿＿＿＿』

バァン！と扉が蹴られ、建物内に太陽光が差し込む。

“何やってるんですか太子、今から仕事でしょう！！”と誰かの怒号が鳴り響く。その音に僕は思わず耳を塞ぐ。『待ってくれぇ~~ｯ！！』と太子が嘆きながら引き摺られていく。僕は大きなため息をつく。

＿＿＿叶わない願いだとは分かっているが 、僕はあの人と一緒にいたいと思った。

𝙉𝙚𝙭𝙩　⇝♡ 300  .