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単独店からショッピングモール店への異動が決まったのは1月だった。
目前に迫った棚卸しの準備中、店長からエリアマネージャーに連絡をするよう言われた。
過去数回異動は経験していたので、エリアマネージャーへ連絡、と言われ察しはついたが正直このタイミングか、と思った。
電話を掛けると案の定、異動の通達。
棚卸しを終え、月が替わった2月から、ショッピングモールに入っている店舗への異動だった。
今住んでいる家からの距離はこの店とほぼ同じ。
うちの会社は片道一時間半までは通勤圏内とされているので、一時間ほどならばよい方だった。
拒否権なんて無いので、わかりましたとお受けする。
その店舗のことは知ってはいた。
一日の売上げは今の店舗の1/3くらい。
ショッピングモール内なので売場面積は1/6になるが単独店と異なり来店客数は多い。
…レジ通過人数は少ないが。
当たり前だがレジの台数も勤務するアルバイトも少なくなる。
その店舗に社員は二人。店長は基本、別店舗におり、時々様子を見に訪れる。
週の半分はワンオペだ。
赴任から2日はもう一人の社員とフルタイムで働き、開店業務、閉店業務など1日の流れを教わった。ショッピングモール店舗らしく、売上報告などが毎日あり20年以上働いている会社なのに勝手が違い驚いた。
また求める商品のあるなしに関わらず、とりあえずショッピングモールに来る客が多いせいか、問い合わせの電話も全然鳴らない。
この店舗ならではの業務を教わっている間もほとんど邪魔が入らず世間話まで出来たほどだ。
そうして3日目からはもうワンオペが始まった。
慣れない売上報告には戸惑ったが教わったメモを見ながらなんとかこなす。
はじめましてのアルバイト達はみなクセがなくいい人達のようで安心した。
一週間経ちわかったのは、仕事がない、ということだった。
いや、自分の仕事はいくらでもある。過去のデータやメールを見て店舗の傾向やこれから起きる業務を前倒しで考えたり、本社からの販促指示を確認、実施したり。
問題はアルバイトたちに振る仕事だった。
基本レジ打ちがあるので一人はいるが、売上予測やウィークリーの業務内容で時々二人になるアルバイトの仕事だ。
荷物がくれば品出しや売場移動といった仕事が出来るが、それらも終わってしまうと商品棚のホコリを手持ちモップで取りながら売場を巡回し、お客様対応をするくらいしかない。
単独店ではさらに二人はいたアルバイトに業務指示を出しながら、自分もずっと動き続けていたのにとても同じ会社だとは思えないほどの差だった。
段々と慣れて話すようになったアルバイトに、もう一人の社員の日はどうかと聞くと、時々売場に出てきてここをこうして、あそこはこうしよう、などとこまめに売場移動をしているようだが、そのせいか不慣れな自分には常に整った売場に見えた。
用事があって店長に連絡をした時には、そこは基本、暇だからPCスキルとか磨いたら?と言われた。
こんな感じで同じ給料だなんて、なんだか悪い気がするが、どうやら慣れていくしかないようだ。
コメント
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みぅです🤍 第1話、読みました。 異動の話、すごくリアルでちょっと胸がぎゅっとなりました…。 単独店からモール内の小さな店舗へ、しかもワンオペ勤務。 「仕事がない」って言いながらも、責任感からか「悪い気がする」って思う主人公の感覚、すごくわかる気がします。 慣れない環境での不安や戸惑いが、静かに丁寧に描かれていて、続きが気になります。