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第11話 後日談?
「あの……もしかして、ずっとこのままなんですか…?」
と思わず質問してしまう。
右には莉犬くん、左にはころんくんがぴたりと肩を寄せて俺をサンドしていて、
背後にはるぅとくんとてるとくんとけちゃくん。
そして前で俺の両手を引くのは、めるちゃんとちぐさくん。
事務所の何処に行こうとしても
まるで騎馬戦のような人数と布陣でぞろぞろと固まって移動する。
一体なぜこうなったのか?
事の発端は数分前に遡る。
「おはようございまーす。」
今日はめておら実写企画の撮影の為に事務所に集合の日である。
いつも通り、相棒のらいとにモーニングコールをして起こしたはずなのだが
駅で20分ほど待っても永遠に相棒は来ず、既読もつかない状況。
案の定、二度寝していた彼から「すまん、遅れるけん先行っといてくれん?」というLINEが届いたのが
予定待ち合わせ時刻からなんと40分後の事。
仕方がないので一人でSTPR事務所の扉を潜ると、
ちょうど談笑していたのだろうか、ソファーに座っていた
ばぁうくんとあっとくんの二人と目が合う。
わぁ、嫌な予感するなぁ…。と思いつつも一応先輩相手なので挨拶をしに行く。
「お二人共、おはようございます!」
「ロゼっちおーはよっ!あー!なんか今日えっちな服着てるー!」
「ロゼくんたら、そんなスケスケの服着て…。」とニヤニヤしながら言われて
「えっ、そうっすかね…?」と改めて自身の服を見下ろす。
今日は暑いので、半袖シャツにメッシュ素材の長袖を重ねているのだが
そんなに露出が多いわけでもないので然程えっちではないと思うのだが…。
突然「もっと近くで洋服みせてよー!」と両腕をがっしり掴まれ、ぐんと手を引かれる。
「わっ!?」いきなりの事で、ソファーに倒れ込みそうになった所を
後ろから伸びてきた手によって肩を支えられた。
「あ、ありがとうございます…」と言いながら振り向こうとすると
するりと腕を回されて、ぎゅっとバックハグされてしまう。
目の前には透き通るような白さの細腕。そしてふわりと香った優しいサボンの香りに、
「え、るぅとくん…?」 と戸惑いながらも振り向くと
「正解です。よくわかりましたね?」 満面の笑みのるぅとくんが背後に立っていた。
「あ、るぅちゃん!おはよー!!」弾んだ声であっとくんが声を掛け、
「あっとくん、おはようございます!……で、ばぁうくんは今、何しようとしてたんですか?」
るぅとくんが冷ややかな目でばぁうくんを見下ろす。
「いや、別にぃ?洋服を近くで見たかっただけだよー?てか、るぅちゃん!
しれっと抱きしめてんじゃん!狡いー!ロゼっち返してよー!」と頬を膨らませて抗議するばぁうくんに
「駄目です。ロゼくんは借りていきます!」と言い残し俺の手を引っ張って連れていく。
ちらりと振り向くと、後ろで何やら騒ぐばぁうくんとそれをあっとくんが宥めていた。
ずんずん進んでいくと、休憩スペースに着く。
そこには、莉犬くん、ころんくん、てるとくん、ちぐさくん、けちゃくん、めるちゃんが居た。
何やら談笑していたが、こちらに気がつくとすぐにわらわらと集合してくる。
全員揃ったのを確認して、るぅとくんが俺を見つめて
「今日から僕たち、ロゼくんの事を全力で守りますから!」とにこやかに言う。
…………何から????
とまぁ、そんなこんなで今に至るわけだ。
別に先輩達に常に張り付かれているのは構わないし、なんならちょっと嬉しいのだが
如何せん、先輩達との距離が近い。
それにメンバーのめるちゃんに手を握られているのもちょっと恥ずかしいのに
ちぐさくんにもぎゅっと握られているので子供扱いをされているようで凄く恥ずかしい。
廊下をゾロゾロと歩いていると、さとみくんとばったり出くわす。
「あっ、さとみくん!おはようございます!」笑顔で挨拶すると
「おー、ロゼおはよう。」と笑顔で返してくれるが、目線を俺の後ろに向けた瞬間にその顔が引き攣る。
そして「俺用事あるから、またな!」といそいそと何処へ行ってしまう。
「……もしかして俺、嫌われてるんですかね…?」
そっと隣のお二人に尋ねると
「いやっ、そんなことないよー」
「むしろ逆じゃないかなぁ?」
と何やら温かい目で見つめられる。
「だといいんですけど、」
その後も先輩達に囲われ、さとみくんに避けられる日々が数週間ほど続いた。
さとみくんに普通に接してもらえるようになるのは、また別の話……。
ーーーーー続く?