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7月中に更新してたんだって驚くくらい忘れきってた連載です 😸😸( 最低 )
はーい、水さんのお話の回ですよー、それではどうぞ !!!
最初は普通だった。
大好きな両親に、兄の初兎ちゃんが居て財産的にも地位的にも裕福な方ではなかったが家族との仲は良かったほうで、生きているのが楽しくてしょうがなかった。
父は仕事に出かけていて土曜出勤は当たり前、日曜しか家族全員が揃うことはないがそれでも帰って来る時間はそこまで遅かったわけでもないから、夜は一緒にゲームをしたりする日も少ないわけではなかった。
母も働いてはいるが在宅勤務で、学校から帰ってきた僕達を優しく出迎えてくれていつも初兎ちゃんと母と3人で過ごす時間も多かった。
水♀「…お父さん、体調は大丈夫?」
そんな僕達、有栖一家は父の体調不良によりどんどん崩れ落ちていった。
父が体調不良でまともに働けなくなり、家に籠もりっきり。
初兎ちゃんはバイトの出来る歳ではあったから頑張ってバイトを探しだし、母と初兎ちゃんが働くような毎日。
僕がつきっきりで看病をして、なんとか父の体調を維持しようとずっと頑張ってきた。
父「…初兎…は…?」
水♀「初兎ちゃんはバイト、あと1時間もすれば帰ってくると思うよ。」
父「そうか……母さんは元気でやってるか?」
水♀「うん……多分元気だよ、仕事で頑張りすぎちゃう日もあるみたいだけど…笑」
これが父と僕の最期の会話だった。
あのあと「そうか」って軽く返事をして目を閉じ、そのままその目を僕達に見せることはなかった。
父は元々病弱な体であって、何度も体調を崩すことだってあったが、ここまで状態が悪化することはなくて僕も母も初兎ちゃんもびっくりしていた。
上手く状況が飲み込めず、涙もなにも出てこなかった。
水♀「お父さん……なんで…?」
白「………そんなにアカン状態なんやったらッ……」
悔いしか残らなかった。
僕がもっとできた看病をしてあげれたらもしかしたらまたこの4人で笑えたかもしれない。
僕のせいで命を落としてしまった言っても過言ではない状態だった。
だからこそこのあと母に告げられた言葉で僕は一気に壊れてしまったんだ。
水♀「『お前なんかが居なければ』……。」
水♀「だったかなぁー、あんまよく覚えていないですけど…笑」
彼女の表情はとても辛そうだった。
そりゃあそうだ、他にもあったはずの改善点に気づかず、通常通りに看病をして、お父さんのしんどい気持ちに気づいてあげられず、家族を失い挙句の果てには残ったたった2人だけの家族に『お前なんて居なければ』なんて言われたら俺だったら正気を失って母親に殴りにかかってしまうかもしれない。
水♀「…でね。」
そう言って彼女は話を続ける。
あの後から母の態度は一気に変わってしまった。
初兎ちゃんには特に変わらず、というかバイトの数を増やしたから家に帰る時間が少なくて気づかなかったと思う。
だからこそ僕と母の2人きりの時間が増えた。
その所為で家にいるのでさえ辛くなってしまった。
母「アンタさぁッ……なにもできないくせになんで生きてるの。」
母「人、1人の看病でさえできないくせにッッ”…!!」
母から発される言葉はとても僕の胸を突き刺した。
どれも間違ってはいない言葉で、ただ言葉選びが間違っちゃっただけであって言ってる内容は間違ってはいない。
…だって僕は人、1人の看病もできなくて、命に別状はなかったはずの病気でさえ悪化させてしまってこうやって亡くしてしまった。
水♀「ごめんなさッ……」
母「ッッ”…!!!」
僕が謝ったせいでなにか癪に障った行動をしてしまったみたいで殴りかかろうとしてくる。
でも、近隣の住民の方にその光景をカーテンの開いた窓から見てたみたいで通報をしてくれたみたい。
あの後に聞いた話だけど近隣の住民の方たちの中で「あそこのお宅の母親はおかしい。」「父親をなくしてから子に優しさの欠片も見せなくなった。」みたいな話をしたりしてたらしい。
あと数秒も経てば殴られていたであろうその拳は警察官によって抑えられて、母を連れて行ってしまった。
水♀「あぁッ……」
それでも僕は馬鹿だから母のことをまだ好いていた。
警察官に連れて行かれる母の後ろ姿を見ると警察官がとても憎い。
そして通報した近隣住民も全員が憎い。
この1日は初兎ちゃんが帰ってくるまでずっと泣き続けていた。
初兎ちゃんも状況が飲み込めないままただ僕を支えようと慰めてくれてた。
水♀「しょぉ…ちゃッ…”泣」
白「どうしたん……?」
って聞いてきてくれるが初兎ちゃんがなんとなく察しているのは知っていた。
あんな状態だけど…あんな状態だからこそいつも家にいたお母さんがいないんだから。
それに僕が泣いててあんな状態の母親が居ない。
捨てられたでも思うだろう。
水♀「おかあさん……連れてかれちゃった……」
涙が枯れた頃、ようやく落ち着いてきて話せる状態になったときに初兎ちゃんにゆっくりと説明する。
起きたこと全部、誤解が起きないようにしっかりと。
水♀「警察官の人が来て、殴られそうになった瞬間に………」
心配かけまいと、笑うと初兎ちゃんが苦しそうな表情になるから思わず笑みが消えてしまう。
そして初兎ちゃんと僕の2人きりの生活が始まった。
水♀「みたいな感じ…?」
桃「………胸糞悪……」
思わず溢れてしまった言葉に驚いたような表情を彼女は浮かべる。
その後に引きつってもない、本当の笑みを浮かべて「ありがとうございます」って言われる。
どうかこの彼女を救ってあげたい。
…が、まぁこの彼女を救う救世主は3人も要らない。
桃「( ほとけさんに幸せが降り注がれますように。 )」
ただそう祈ることしかできなかった。
続く…
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