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「さ,その証明としてダンジョンボスの腕取ってきてやったわ。」
大きな魔物の腕をあの忌々しい男に見せてやった。はじめは笑っていたがその顔は青白くなっていった。これはビビっているな?
「おい…正気かよ。え,本気で?あのlevel3が?」
「何よ。」
もじもじしながらその腕を私たちに返した。
「このダンジョン…推奨level4なんだよ。ほんとは。あのボスは最低4人は必要なんだよ。」
…え。え?え?嘘。じゃあ私たちこの男から見たらすごくやばいやつ…?いや,この男が嘘ついてんじゃないかしら。…そんなことはなさそう。
「君たち四聖様のところへ行ったほうがいいよ。もしかしたら勇者の力があるかもしれないし…。」
「い,いや,私冒険はしたくないの。出来たらいい職場を…。」
男は無視。全然聞いてくれないのだけど。って,それよりステータスを見ましょうか。
エアリス・クリスティー 種族【エルフ】
level 6
剣術 1 所持金 8.86オリオン
魔力 5 属性 風
勤勉 2 職業 冒険者
体力 3 その他⇒
嘘。levelがあのダンジョンだけで2もlevel上がったの⁉所持金も少ならず増えてるし。何なのよもう!体力が上がってくれたのは嬉しいけれども。
「え,エアリスさん。見てください…。」
スカイ・アーツ 種族【人間】
level 7 ちょい恐怖心
剣術 2 所持金 10.99オリオン
魔力 2 属性 水
勤勉 2 職業 冒険者
体力 3 その他⇒
levelは私よりも高かった。それよりも気になったのはこのちょい恐怖心。何それ。初めて見たんだけど。何百年と生きてきたけどこれは初めて見た。ステータスも少なからず上がっている。
「えっと,level結構上がったね。」
「いや,そうなんですけど。この恐怖心何ですか…?」
「知らないわよ。」
この恐怖心も四聖様に聞けばわかるかしら。なら私の使えない魔法の事も聞いておきましょうか。
「す,スカイ。まずは四聖様のところに行きましょう。」
「四聖様って?」
「四聖様はこの町の紳士と呼ばれている聖属性に長けた方よ。聖属性は…神に選ばれた四聖様しか使うことができない魔法ね。あるいみ回復に似ているかしら。」
「へぇ。」
10年に一度,神は聖なる属性,聖属性を神の子に受け渡す。それは種族は関係なしに人間でも,エルフでも渡されることがある。1000年前の神の子は私のおばあ様だったわ。神の子に選ばれた人は神託として過ごし,王族と同じ位になる。
「それって昔に選ばれた人は聖属性使えるの?」
「いいえ,次に選ばれたときにその聖属性は次の子に受け渡すのがルールよ。」
「へぇ。」
四聖様がいらっしゃる教会はここからだとかなり遠いけど,今日中にはなんとか着くでしょう。それまでは休憩なしでお散歩になるかしら。
「途中でばてないで頂戴。」
「はい…。」
人間とエルフは体力にも差があるって聞くけど,今のステータスでは私とスカイは同じになっているから差は無いと思いたいわ。だって人間ったら歩くスピードが物凄く遅いんだもの。
「…。」
「…。」
…気まずい。何も話すことがない。早く教会についてくれないかしら。町はセールやらでだいぶ盛り上がってるみたいだけど,スカイと居ると何気なく話すことができない。
「あーあ,早く職業に就きたいわー。」
「…。」
「…何か言いなさいよ。」
「ごめん。」
本当に気まずいったらありゃしないわ。
「ちみぃ…。」
「はい?」
「占いしぇんかにぇ。」
誰ですか。変な人に絡まれました。占い?興味ないですね,はい。そう思って四聖様のところに急ごうとしたのに…
「なんでも占ったげるよ。…四聖様のとこ行くんにゃろ?」
「え。」
当てられてしまった。あとその言い方何なのよ。腹立つんだけど。
「当たったんにゃろ。特別に無料でやったるから。…金運占えるよ。」
「やります。」
くっ,私としたことが金運ごときにつられてしまった。しかも無料ですって。スカイもなんだかんだ言って嬉しそうな顔してるし,良いじゃない。
「ちみ,名前は?」
「スカイです。」
「エアリスよ。」
占い師はそうかにぇと言って一つの水晶を取り出した。怪しすぎるとは思ったけど,こういう占い師良いわね。気に入ったわ。
「エアリス…ちみははっきり言って運がじぇんじぇんにゃいね。で,スカイ…ちみはすさまじいパワーを感じるよ。」
「はぁ!?」
運が…全然ないですって⁉いい度胸してるじゃない。顔の可愛さで勝負しなさい。
「パワーというのはこう…勇者の力というか。本当にすごいよ。」
「…。」
「ささ,早く四聖様のとこ行ってきな!」
スカイにはあって私にはないって…ふざけんじゃないわよ。時間の無駄だったわ!
「早く行きましょ。」
そう言ってスカイの手を取り,私たちは教会に向かった。
to be continued→