テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
めちゃ長いです。すいません……
side.もとぅ
最近、涼ちゃんがおかしい。夜のお誘いに乗ってくれない。もともとお互いそんなに時間があるわけでもないから、正直寂しい。ここ2か月ぐらいは断られ続けてる気がする。そろそろどうにかしないと。
あと、いつも1人でさっさと帰ってしまう。
冷めちゃったかな、とかなんか嫌だったのかな、とか考えちゃうから、とりあえず若井に相談することにした。
若井も最近寂しそうに涼ちゃんの方を見てるしね。
大森「若井ぃ…」
若井「どうしたんかな…普段の態度的に、冷めた、とかではないと思うんだけど…」
名前を呼ぶだけで分かってくれるの、さすが。
大森「うん…もう一回聞いてみない?」
若井「そうしよっか。今日夜みんな空いてるしね」
大森「ねえ、涼ちゃん…?今夜、」
藤澤「あ、ごめんっ!き、今日はキーボード練習しなきゃで!あと、んーと、そう!んとね、」
若井「なんか嫌なことあった…?」
藤澤「え?全然ないよ!あ、ごめん、もう帰るね!」
そう言うと涼ちゃんは小走りにスタジオを出て行った。
嫌なことはない、といった目は本当だったから、冷めたわけではなさそう。
でも、やっぱりなんか隠してるな…。涼ちゃんは嘘をつくのが下手すぎるから。
若井の車に乗って帰りながら、涼ちゃんのことを話す。
大森「若井…俺、」
若井「うん…決めた。今度、2人で追跡しよう」
大森「ん~…いいのかな…なんか怖いし、」
若井「大丈夫。俺、涼ちゃんが隠してることってそんな大したことないと思う」
若井ののんびりした口調に、思わずカッとなる。
心配じゃねえのかよ。離れていっちゃうって。
大森「なんでそんなことが言えんの⁈違う人と、いるかもしんないじゃん!」
若井「涼ちゃんは、本気で何かを隠すとき、入念に計画を練るタイプだと思うんだよね。今回のあのテキトーさだと、大したことないのかなって」
大森「んん…そうだといいけど…」
若井「涼ちゃんのこと、信じたいし。まあ追跡はするけど」
大森「いやするんかい。俺も行っていい?」
若井「もともとそのつもり」
藤澤「お疲れさまでした~!」
大森「涼ちゃんお疲れ~!……若井」
若井「ん。行くぞ」
数日後、涼ちゃん追跡作戦が決行された。
涼ちゃんのだいぶ後ろから、2人でとことこ付いて行く。
しばらく歩いて、たどり着いた先は……
大森「え”?」
若井「ジム…?」
ゴリゴリのマッチョさんたちが入っていくジム。いやいや、うちの涼ちゃんが、んなわけ…
大森「入ってったあ…」
若井「これは問いただそう。」
大森「だな」
大森「と、いうわけで、なんでジムにいたの?」
藤澤「んぐっ…あんまり言いたくない…」
若井「だめ。隠してたの、悲しかったんだよ…?」
若井が手をぎゅっと握って涼ちゃんにすがる。こうすると涼ちゃんは嘘がつけない。ナイス、若井。
藤澤「怒らない、笑わない、で聞いてくれる?」
大森「もちろん」
藤澤「2人はさ、かっこよくてスリムじゃん。ほら、そういうことするときも、かっこよくてさ」
藤澤「僕、もうおじさんだし。2人に体見せるの、恥ずかしくて。お腹だってポッコリしてるし、完全に中年太りじゃん」
大森「そんなこと、思ったことないけど…」
藤澤「1人だけ年取ってるし、こんな体だし……冷められたく、ない」
悔しそうに悲しそうに言う姿に、だいぶ悩んでたんだろうな、と思う。
三日坊主の涼ちゃんが一生懸命筋トレしてたのは、俺たちのためってことで。なにそれ、最高すぎ。
大森「頑張ってくれたの?ありがとう。でも、どんな涼ちゃんでも大好き」
若井「俺も大好き。冷めるとか悲しいこと言わないで。」
大森「実はかわいいお腹、好きだったり…」
藤澤「はぇ…ん、でも筋トレはまっちゃったから続けようかな」
若井「いいじゃん。今度一緒に行こーよ」
大森「いいね。まあその前に、今の体、確かめなきゃね?」
若井と目を合わせて、にやっと笑う。いい運動になるしねえ…
藤澤「ひ、ひょえぇぇぇ…」
そのままベッドにもつれ込んで、甘い夜に溶けていった。
作者が最近太ったって話。涼ちゃん、仲間だねe((すいません