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『痛みを負った心には愛の癒しを』〜愛情は特効薬〜
第14錠 見た目とは裏腹に
『わぁ…!ここがエスポワール!?』
『えぇ。ここらで1番栄えてる街ですよ。』
『凄いね…!あっちには美味しそうなレストラン!カフェもある!』
(凄くはしゃいでらっしゃる…。)
『主様、行きたいところはありませんか?』
『行きたいところ……。あ、あそこのアンティークショップに行きたいな!』
『分かりました。行きましょう。』
『綺麗なアクセサリー…。ねぇ、似合うかな?ベリアン。』
『えぇ、主様にぴったりですよ。こちらもいかがですか?』
『それも可愛いなぁ。うーん、どうしようかな〜。』
『お、ベリアンさん、もしかしてその人が…』
『えぇ。私達の主様です。』
『知り合いなの?』
『えぇ。』
『以前天使に襲われたところを助けてくれたんだ。いやぁ、ベリアンさんがいてくれなかったからこの店は…』
『いえいえ、とんでもない。天使から人を守るのが我々の使命ですから。』
『ベリアン…。』
アクセサリーを買って店を出る。
『悪魔執事を忌み嫌う人ばかりですが…
さっきの方みたいに信頼してくれる人もいます。』
『そうなんだ…私にとっては、みんなは英雄だと思うけどな…それなのに…。』
『いいんですよ、主様。慣れていますから。』
『っ…。』
『あ、主様。あそこのカフェによってもよろしいですか?美味しい紅茶に合うケーキがあるんですよ。』
『うん、ありがとう……。』
(笑顔で言ってるけど本当は凄く辛いことなのに…どうして笑顔で…っ。)
『ふふ、いつ来ても美味しいです。』
『優しい味…。』
(ベリアンに限らず他の執事も…色々抱えてるんだな。悩みや、闇を。)
『主様、食べ終わったら見てもらいたいものがあるんです。』
『見てもらいもの?』
『はい。あの森を抜けた先に綺麗な湖が…』
と、その時。
ヴー!ヴー!
『!?』
耳を劈くような音が襲う。
『この音は…っ!』
急いでお店を出る。
『きゃー!!』
『天使だ!逃げろ!!』
『死になさい、命のために。』
(っ、あれが、天使…?)
『主様、力の解放をお願いします!』
『う、うん!』
私は本を開き呪文を唱えようとする。
するとその時…。
『ベリアン、ここは俺が何とかするから。ベリアンは街の奴らの避難を頼む。 』
『え…は、ハナマルさん!?』
『自己紹介が遅れて悪い、主様。今は一刻を争う、後でまとめて説明するから今は力の解放を頼む。 』
『う、うん…!』
私は呪文を唱える。
次回
第15錠 見た目と性格