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『痛みを負った心には愛の癒しを』〜愛情は特効薬〜
第15錠 見た目と性格
数分後。
『自己紹介が遅れて悪いな。俺はカワカミ・ハナマルだ。怪我してないか?主様。』
『うん、大丈夫だよ。』
『助かりました、ハナマルさん。』
『街の奴らは大丈夫か?』
『えぇ。ハナマルさんが天使を請け負ってくれたので、迅速に避難させることが出来ました。』
『それなら良かった。』
『それにしてもどうしてハナマルさんがここに?』
『あぁ、実は新しくできた酒場に…ん゛ん゛ッッ。和菓子を買いに出かけてたんだ。』
(今誤魔化しましたね…。)
『ハナマルさん、お酒は程々にお願いしますね。』
『へい…。』
『主様、私はグロバナー家に寄ってから帰りますので、ハナマルさん、主様を屋敷までお願いします。』
『ああ。任せろ。』
私はベリアンと別れてハナマルと屋敷に帰る。
『…さっきのが天使?』
『あぁ。俺達の仕事なんだ。天使を狩り…人を守るのがな。』
『そうなんだ…。凄かったよ、ハナマル。一瞬でも沢山の天使を…』
『まぁな、慣れたもんだ。ダンディな俺に惚れてくれてもいいんだぜ?』
『ふふっ。ハナマルって面白い。』
『そう?よく言われる。あ、その前に…怖い思いさせたよな?』
『え?』
『天使なんて初めて見るだろ?だから…… 』
『……怖くなかったよ。ベリアンとハナマルが守ってくれたから。それにね。』
私はニコッと微笑む。
『みんなといれば…怖いことなんてないって気付いたの。』
『主様…。』
『守ってくれてありがとう。』
『あぁ。』
談笑していたら屋敷の帰路に着いた。
『夕飯まで部屋で休んでたらどうだ?疲れただろ?』
『うん、そうする。』
ハナマルは部屋まで送ってくれて手を振る。
バタンっ。
(良かった、無事に傷が治ったみたいだな。
主様に会えて、笑顔が見れてよかった。
俺の失いたくないもの…。また増えちまったな。)
『だけど、俺は守るだけだ。どんな障害にも
主様のことを。』
俺は別邸に戻る。
『すやすや……。』
『全くこの人は…。帰ってきて直ぐに寝るなんて。』
『まぁまぁ。天使狩りの後みたいですよ?主様とベリアンさんが出かける時に天使が現れて…』
『主様が…。無事でよかったです。』
『早く俺も主様に会いたいです。きっと素敵な人なんだろうな…』
『えぇ。みなさんが言うには優しくて大人しい方だそうで。』
『楽しみですね!』
一方その頃。
『ぅ、うぅん…っ。』
私は悪夢に魘されていた。
あいつらがお前に優しくするのは全員お前の事を油断させてるだけなんだよ!このお人好しが!だからつけ込まれるんだよ!俺みたいにな!
お前はずっとここにいるんだ。俺に頼まれたこと、言われたことだけやってりゃァいいんだよ。わかったか?
『違う…っ。私に優しくするのはみんな私のことを守ってくれるから…っ。やめて、やめて…っ。』
次回
第16錠 優しく上品な佇まい