2日遅れの書類提出。
もうさほど罪悪感もなくなってきた。
遅刻癖を治そうとは思ってる。
でも、ここまで来たら期日までに出すことが違和感で
みんなにも珍しがられるのが嫌だから
治せないでいる。
ut「tn、書類出しに来たで」
目の下にクマを作り、朝から晩までパソコンと向き合いっぱなしの書記長。
それでもみんなの前では笑顔でいようとする
無茶な人。
でも僕はわかっている。
僕は
その笑顔を直接向けられたことがない。
僕が無能だと
その目が突きつけてくる。
tn「やっとか。期日は一昨日やぞ」
ut「……うん」
tn「うんちゃうねん。期日ぐらい守れや。」
「そしたら多少ミスも見逃したるのに。」
ut「…ごめん。ほな…」
tn「ちょっと待て」
ut「?」
タイピングの手を止め、僕の目をじっと見つめる。
その目はナイフのようで
心臓を刺される感覚がした。
tn「ut先生、zmを泣かせたらあかんやろ。」
ut「ぇ、?」
tn「zmから聞いてん。」
「”大先生が話してくれない”、”嫌われたんやろか”」
「zmは肉体的にも精神的にも完全な回復はしてへん。」
「そんなzmを適当にあしらったらあかんことくらいut先生にもわかるやろ?」
ut「そ、それはッ」
「僕だってほんとはそんなことしたくないねん!」
「でもッ口が勝手に…ッ」
「僕だって疲れてるし、苦しいんや___」
tn「で?」
ut「ぇ……」
tn「今お前のことは聞いてないねん。今、お前とzmのどっちが大切やと?」
「わかるよな。」
ut「………」
僕はこの時悟った。
僕の声はもう
届かないんだと。
どう足掻いても
頼っても、信じても
僕は信じてもらえない。
僕の悩み事なんかどうせミジンコ以下で
無視されるのが当たり前なんだな。
ut「……もうええわ。」
tn「いや、良くないって_」
ut「うるさい」
tn「は?」
ut「僕の話は聞いてくれへんのやろ?」
「だったら僕がtnの話聞く義理もないよな。」
tn「ちょ…」
ut「それに、話すら聞いてくれへん奴に助け求めたってなんの意味もないわ。」
「みんな大切なのは僕以外。」
「”俺”のことなんか気にもとめへん。」
tn「ut…?」
ut「もう俺の事なんかほっとけや。」
「ほな。」
tn「ちょ、待てut!!」
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