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短編

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2025年06月23日

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はっとして目覚めた。

時計は23時あたりを指している。

自分の最寄り駅はここから…100km。

詰んだ。降りようにも次の駅まで14km。

終着駅でしか降りれないだろう。

すべてを諦め、景色を見る。

トンネルを抜ければ右手には海岸線。

左手にも同じものがある。

暗くて見にくいが月明かりが辺りを照らしている。

見渡す限り、海面と水平線だけだ。

悪天候になればすぐに運休になるのもわかる。

無機質な車内放送が響き渡る。

ちょっとした丘が見える。

そこに終着駅がある。

列車が折り返すのはすぐだが、営業列車としては時間後だ。

運転手に運賃を渡しながら訊く。

「ここらにネカフェはありますか?」

「ここらにはねえわな。」

「…」

仕方なく降りつつ、回送列車を見送った。

赤く光ったテールランプが闇に埋もれたところだ。

電話ができる友達がいればいいと思ったがぼっちであることに気づき涙がこぼれた。

この世はなんと無情なのか。



この駅は「海石」とかいて「うみいし」と読むようだ。

時刻は23時過ぎ。

辺りには電灯が2本。

駅にはベンチもない。

なんなら酔っ払いの戻し物もない。

埒が明かないと判断し、外に出てみる。



海岸線と砂浜。

それしかない。

空にはオーロラ。

ここは寒いはずだが寒いと思えなかった。

ネット回線は無に近しいレベルだが俺は満足した。

ただただ景色を眺めているだけなのに疲れがとれたと思えた。


ふと目を開ける。

目の前には太陽が昇っている。

感動的であった。

近くの駅から流れる接近メロディーと相まって。

まだいたかったが、来た列車に乗って帰ることにした。

この駅に営業列車は1往復しかこない。

朝に市内へ1本。

夜に市内から1本。

もう一度行くなら泊まりがけになるがまた行きたい。

そう思えるような場所であった。








どうでもいい文章を読んで下さりありがとうございました。

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