岩木はタバコを吸いながらサムライソードを見上げる。
義眼が赤く光り、制服の袖からはじわじわと血が広がる。
岩 「ねぇ、サムライソード。」
一歩、慣れない義足を鳴らしながら近づく、血の匂いが残る道にコツン、と金属の音が響く。
褒められた喜びが全身を駆け巡り、胸の奥が熱くなる。けどそれじゃ足りない。もっと欲しい。
岩 「私ねもっと、もっっと近ずきたい。」
甘ったるい声が響く。けれども目は狂気じみてる。
岩 「褒められるだけじゃ足りない。褒められるだけじゃ我慢できない、もっと見て、もっと一緒にいて、?」
サムライソードは無言で岩木を見下ろす。冷たい瞳の奥にわずかな興味の色がよぎる。
岩木はタバコの火を消し距離を詰める。制服からタバコの匂いが漂い、血の着いた手で服の袖を掴む。
岩 「…ねえ、離れないで、もっと強くなるから…チェンソーも、デビルハンターもちゃんと殺すから…ね、?だからそばに置いてよ…」
その声は子供が親に縋るような甘えと悪魔に魂を売った狂気の入り交じった響きだった。
サムライソードは少しの間黙り込み、やがて低い声で言う。
サ 「…勝手にしろ。 」
その言葉を聞いた瞬間、岩木はぱっと笑顔を見せる。
岩 「うん!勝手について行くね!」
血と煙と狂気の夜。岩木はさらに彼に近寄り危うい関係を築き始める。