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サムライソードの短い言、 「勝手にしろ」。
それは本来なら突き放す言葉のはずだった。
けれど岩木にはそれが「許された」と同じ響きに聞こえた。
胸のかで何かが弾ける
岩 「勝手にしていいんだね…!」
次の瞬間、腕にびっしりと刺青が浮かび上がった。
蜘蛛のような腕、蛇のような鎖、鳥のような翼。皮膚が裂けるたびに血がにじみ出る。
耳の奥ではキーンとした耳鳴りが響き、吐き気すら覚える。
それでも止まらない。
岩 「見てよ!ねぇ!もっと褒めて!私、こんなに出せるんだよ!」
笑いながら叫び、刺青の具体化を乱暴に振り回す。
近くの建物が切り裂かれ、地面がや抉れる。
サムライソードは一歩も動かずその様子を見ているだけ。
サ 「…無駄に力を使うな。」
低い声で制止する、だが岩木には届かない。
岩 「だって!だって褒めて欲しいんだもん!」
血を吐きながら笑い続ける。義足が軋み、義眼がギラギラ光る。
その狂気の舞を静かに見下ろす。
サ 「くだらねぇ。」
岩木は倒れ、刺青は霧散し、歌舞伎模様も消える。
血を吐き、荒い呼吸の合間にかすれた声で言う。
岩 「…ねぇ、見てた、?私凄かったよね…? 」
サムライソードは答えない。背中を向け歩いて行く。
だがそれさえも岩木には褒め言葉のように見えた。
岩 「えへへ…また見てね、」
狂気に濡れた笑みを浮かべながら口元を拭き目を細めた。