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ジンペイ「よし!じゃあ、俺は外でも見てくるか!」
深刻なアゲハの表情に気付かず、ジンペイは右腕をブンブン振り回しながら表に出ようとする
マタロウ「待って!!」
マタロウは、ジンペイを呼び止めるそして、俯きながらしゃがみ込み、軽く咳払いする
マタロウ「僕、きちゃった…コホンコホン」
マタロウの眼鏡が、何らかの光を反射してキラリと光った
マタロウ「もう芝居は結構ですよ。えんら先生」
えんら「…何の事かしら?」
胡散臭い笑みを浮かべるえんら先生を他所に、
マタロウは顔を上げる自信に満ち溢れたその顔は、キリッとしており、目にもいくつかハイライトが入っている
本当にマタロウ……?いや、もはや別人やん(´・ω・`)
吃驚してジンペイが突っ込むジンペイ「誰ッ!?;」
マタロウ「(スルー)えんら先生、やはり犯人はあなただったんですね」
えんら「……」
途端に黙ってしまうえんら先生。そんな先生を庇うようにして、ジンペイがえんら先生の前に立つ
ジンペイ「マタロウ君、年上の女(ヒト)に悪い人はいない。えんら先生が犯人な訳…」
すると、えんら先生がゆっくりと此方を振り返るその眼は、まさしく冷酷そのもので、
皆を冷めた目つきで睨むえんら先生。
伏し目だからか、余計に怖く見えてしまう
ジンペイ「えぇぇぇッ!!悪い顔ッ!!」
ジンペイがショックを受けていると、
えんら先生は先程アゲハ達を睨んでいたときとは程遠い優しい笑みを浮かべる
まあ、めっちゃ胡散臭いけれど。
マタロウ「僕が謎だったのは、犯人には何故『告白の声』がいつも聞こえるのか…。これは不自然すぎる」
マタロウは、あらかじめ用意しておいたハンカチをを振って、謎の粉を自分の周囲に撒き、
それを吸い込んでわざわざ咳払いする
マタロウ「臭いますねぇ、コナっぽいですねぇ。コホンコホン…ゲホッ」
おいちょっと待て。最後のそれ、本当に咳してないか?
コマ「これは『名探偵コナッポイン』!大人気の低年齢向け推理アニメだよ!」
ジンペイ「知らな~い」
コマは、その名探偵コナッポインを知っているッポイが、ジンペイは知らないようで惚ける
コマ「何故か彼の中に眠る『名探偵コナッポイン』が目覚めてしまったんだ!」
コマは興奮して、嬉しそうに声を上げる
マタロウ「ふふふ…犯人は常に生徒達の声を聞いている……?」
マタロウ「否っ!バウアァァァァッ!!」
マタロウは、背中をイナバウアー並みに仰け反らせると、起き上がってポーズを決めた
どうやら、「否」+「バウアー」でイナバウアーとかけてるらしい。
因みに発音のイントネーションは、イナ⤵バウアーではなく、イナ⤴バウアーである
マタロウ「犯人は、生徒達の恋愛を簡単に知ることが出来る人物だったんだ!」
すっかりコナッポインに成りきっているマタロウは、
どこからか探偵風のハンチング帽を取り出して頭に被せる
マタロウ「では、コナっぽく真相解明!恋愛禁止の呪いのよって、
恋をした生徒達は、行き場のない気持ちをどうしていいか分からなかった!
しかし!!この学園には救世主がいた!『大人の恋愛術』というエッセイを書いた恋の専門家!
園等なつき先生!あなたです!!」
マタロウは、息継ぎをすると、更に続ける
マタロウ「そこで、恋に悩む生徒達は、あなたの元に相談に行っていた。
つまり、あなたには呪いをかけることが出来た」
えんら「キュウビ君もエマさんも、私のところに相談に来てないわよ」
マタロウの証拠在りまくりの推理を聞いても、まだ余裕を見せるえんら先生マタロウは更に謎を解くため、
再び辺りに粉を振り撒いて、わざとらしい咳をする
マタロウ「あなたは、『恋する女子』を増やす為にキュウビ先輩を利用し、
用済みになると魔獣に変えた。更に、あの時メラ先輩とキュウビ先輩が戦ったとき、
近くを通りかかったのもわざとですよね?
アゲハさんが自分の元に来るようにそう仕向けたんだ!コホンコホン!」
アゲハ「じゃあ、エマちゃんの方は?」
マタロウ「エマさんの方は、あなた自身が告白するように嗾けたんだ!
下部の中に、学園長の娘を加えたかったんでしょう。
あのレストランの予約者はあなただったし、
生の肉が食べられないエマさんが、ローストビーフの店で告白するのは不自然です!」
確かに、マタロウの言う通り、生の肉を食べられないのに、わざわざ生肉が出る店で告白するなんて以ての外だ。
マタロウ「恋愛禁止の呪いを企てて、実行していたのは、あなたです!!」
マタロウは、トドメを差すかのように、ビシッ!とえんら先生を指差した