テラーノベル
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感情が歯止めを失って溢れ出していく。
「しゅんは…僕のこと可愛いとか、いっぱい甘いこと言ってくれるけど…それがいつまで続くのかも分かんない……」
「ひろ…もしかして、今まで俺が伝えてきた言葉、全部そんなふうに聞こえてたの……?」
傷ついたような敦の問いに、僕は激しく首を横に振る。
「違う…僕がしゅんに迷惑かけてばかりだから、そのうちしゅんの負担になって、疲れさせて…しゅんが離れていくかもしれないって言ってるんだよ……っ」
病気を患ってからというもの、僕の生きている世界は常にグラグラと不安定だ。
敦の言葉一つひとつに一喜一憂しては
それでもどこかでいつか捨てられるのではないかと怯えている。
敦の真摯な愛情を疑うことなんてしたくないのに
どうしても自分を信じ切れず、彼を信じ切れない自分がいる。
そんな醜い感情を必死に隠して平静を装っていたのに、感情が決壊してついにすべてを吐き出してしまった。
敦が今どんな顔をしているのかを見るのも怖くて、言葉を零しながら、僕は両手で顔を覆い隠した。
すると、敦はそんな僕の様子を見て、ぽつりと言葉を続けた。
「…ひろ、どうして……」
その声が、僕には酷く平坦で、冷ややかに聞こえてしまった。
「しゅんにはわかんないよ…っ」
「どうして、そんなに突き放すの…?俺の好きが、信じられないの…?」
「僕だって、こんなこと思いたくないよ……っ!」
敦の必死の問いかけにさえ、僕は刺々しく反発してしまった。
自分でも完全に悪い方向へと考えが傾いてしまっているのだと
どこか冷めた客観的な部分で判断できているのに、止められない。
「でも、今の僕……前の僕と全然違う…っ、別人みたいで、こうやってすぐ不安定になって…しゅんを困らせてばっかで……っ」
顔を覆ったまま泣きながら訴えると、敦は深く、重い息を吐いた。
「…ひろ、一旦落ち着こう?きっと、頭がいっぱいいっぱいになってて、今は悪い方向に考えちゃうだけだよ」
「…っ」
「それに、俺なら大丈夫だって───」
「なにも大丈夫じゃない…っ!!」
敦の宥めるような言葉を遮るように、僕は叫び声を上げた。
その瞬間、部屋の中がシーンと恐ろしいほど静まり返った。
「ひ、ひろ…?」
敦が心底驚いているのが痛いほど伝わってくる。
僕がこれまでに、一度だってこんな風に声を荒らげ大きな声を出したことなんてなかったからだ。
意識の外で自分が一番驚いていた。
それでも、涙と叫びは止まらなかった。
「今そう思ってるだけで…!しゅんだって、いつかは僕のこと嫌いになっちゃうかもしれないじゃん……っ!!」
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莉乃ちゃん
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