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#sxxn
ふ み ん し ょ ー .
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気温は31℃、晴れてんのか曇ってんのかよくわかんねぇ空。蒸し暑くて、エアコンの効いた部屋で一日過ごしていたい気分。
そんな、どんな夏休みにもある。めっちゃくだらない日。
一つだけ、今日は俺にとってまったくくだらなくない。それは、今日が部活の日であるということ。
夏休みの中で、何回か部活自体はあった。俺はそのほとんどに参加している。
圧倒的、力量不足だし…メンバーの足は引っ張りたくない。だから、自分のできる限り精一杯、練習してきた。
毎日毎日、部活に行く前は変に緊張する。俺にとって、部活に行くのは一大イベントなのだ。
別に、学校に行くのに慣れていないとか。迷子になるからとか。忘れ物をするからとか、そんなちっぽけな理由じゃねぇから。
__ ただ、 “ あの人 ” がいるかも。
※ ※ ※
❤️「あっちぃ……。溶けそっ…まじ夏許さん。」
汗をかき、額から落ちる雫に目をやられながら。重たいギターを斜めにかけ、トートバックを左で持つ。
二駅乗って電車から降り、一本道をひたすら歩いて数十分。俺の家から、高校まではそう遠くない。
けど、俺の学区からこの高校に行くことが少ないので、いつも登校は一人でする。別に寂しくなんてねぇけど…たまに、一緒に帰っているバンドメンバーを駅のホームの反対側から盗み見て、羨ましいと思う。
そんなこんなで、一人で登校しているうちに独り言を言いながら歩く癖がついた。
❤️「まじ、誰だ坂の上に学校作ったやつ…出てこいよまじで、ここ往復しろ。バターになれ……。」
俺の通う高校 “ シクス高等学校 ” 。偏差値50前後の、The平凡公立高校。
メンツは、どこか頭のネジがとんでしまった奴らばかりで。ガリ勉なんて、存在しない。テスト近くになれば、ヤバイヤバイと焦りだす奴らばかりのよく言えば自由な高校。
校則は、あるにはあるが…完璧に守っている奴なんていない。お飾りみたいなもの。
そういう俺も、髪色だったりのスマホの使用だったりの校則をバリバリに破っている。けど、先生からは特に何も言われない。言われたことがない。
❤️「あっつッッ……もうムリ…。」
ギターを脇に置き、高校の一番近くにあるバス停【シクス高校前】の横にある青いベンチに腰を掛ける。木々が風によって揺れ、ざわざわと音を立てるのに。俺のところには、少しも風が来てくれない。
背もたれにふんぞり返るようにして、空を見上げた。家を出るときは、晴れてんのか曇ってんのかよくわかんねぇ空だったのに。いつの間にか、青空が見える。適量な雲もあって、きれいに見えた。
俺の赤い瞳が、青々とした空を映している。…もし、あの空と混ざったら__
❤️「…混ざれたら、 “ あの人 ” の色になれるかな…。」
?「誰の色?」
❤️「ギャ ッッ …!?」
ぴょんと跳ねるようにして、ベンチから体を起こす。目の前を見れば、ちょうどバスから降りてきたのか、片手に交通系ICを持った先輩が立っている。
低く、落ち着いた声。後に乱暴に持っているベースは、まだ新しい。最近始めたばかりで、それが俺らのためなことを知っている。
❤️「ぃ、いるませんぱい…」
💜「よっ。学校つく前に、力尽きてんの?笑」
誂うような笑みを向けられ、ワシャワシャとまるで犬のように頭を撫でられる。相変わらず、俺が言えることでもないが…先輩は、距離感が近い。
❤️「違うっすよ、先輩待ってたんです!」
💜「嘘つけ、驚いてたやん。笑」
❤️「…そういえば。先輩、今日はバスなんすね?まさか、引っ越したんですか??」
先輩は俺と家の方向が唯一同じな先輩。だから、いつも部活を終えて一緒の電車に乗って帰るのをひそかに楽しみにしていた。それなのに…
少し、寂しいなっなんて…思ってしまう。べ、別に彼女とかそういうんじゃねぇし…そう思う資格が自分にないことくらいわかっている。我儘をいうつもりもねぇし…。困らせるつもりもない。
そんなことを考え、自分に言い聞かせる。けど、嫌な想像が膨らめば膨らむほど、顔はどんどん下へと下がり俯いてしまう。先輩の顔が、映らなくなってしまった。
💜「…ぷっ……。笑」
❤️「へっ…?」
💜「はははっ、なつ…お前。笑」
突然、先輩が笑い出す。笑っている顔も輝いていて、やっぱりかっこいいな…なんて考えてしまう。
❤️「お、俺なんもしてねぇんですけど!」
💜「お前っ、鏡見て言えよ。笑 めっちゃ落ち込んだ顔してたぞ!笑」
どうやら、さみしいという気持ちが表情に滲み出てしまっていたようで、それが先輩のツボを刺激したらしい。
ムッと頬を膨らまし、そんなに笑わなくても…と、少し不機嫌になる。
💜「…大丈夫。今日は、ばあちゃんの家に泊まってたから…別の方向から来ただけ。」
❤️「ぇっ、おばあちゃんの家いたなら…わざわざ、無理して来なくても良かったんじゃないっすか?」
本当は会えて嬉しいのに、そんな事も言えない。本当に、可愛げのない後輩だな…と、自分でもつくづくそう思う。
💜「いや、お前に逢いたかったし。バンド、練習しねぇとだろ?笑 俺、ベースは始めたてだしさ。」
※ ※ ※
そう、先輩は俺らのためにベースをわざわざ1から始めてくれた。その道のりには、少しだけエピソードがある。
入学式の日、緊張しながらも人であふれた体育館のなかに座っている。前方の方にならばされる新入生たち。あくびをしながら、校長先生の話を聞き、部活紹介という面白そうなイベントへとときが進んでいく。
部活紹介中にみた、あのラップしてる先輩もすごくかっこよかった。…まさか、軽音楽部の紹介だとは思わなかったけど。
けど、あの日。入学式が終わり、探検しているときに校舎内で俺が迷子になっているときに、偶然見かけたあの姿。
俺らの部活で使っている、4階の奥の方にある倉庫…人の楽器が置いてあったり、アンプやシールド…延長コードなど。いろんなものが乱暴に置かれた一室。
先輩は、慣れた手つきで奥に並べられたアコギの中から、一つを引っ張り出しついでに窓を閉める。
音を整え、椅子を出しては腰を掛ける。
その時、一つ一つ…先輩の大きな手が繊細な弦を弾き、音を奏でていく。聴いたことのある音なのに、それよりも柔らかい。アコギアレンジ。
あの場所。いつも部活使っている、あそこで。誰にも見つからないように、一人静かに弾き語りしてる…あの先輩の姿。
美しかった、かっこよかった。目を奪われた。
_そんな先輩の姿に憧れ、俺は高校に入ってギターを始めることを決意した。
※ ※ ※
#NEXT → 部活初日
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