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第1話『視線の集まる転校生』
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橋本 🩷 菊池 💜 佐藤 ❤️ 松島 💚
篠塚 🤍 猪俣 💛 寺西 ️🩵 原 ️♡
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春。
新しいクラス、新しい席、新しい人間関係。
ざわつく教室のドアが開いた瞬間、その空気が少しだけ変わった。
🩷「……橋本将生です。よろしく」
短い自己紹介。
それだけなのに、なぜか静かになる。
黒板の前に立つ将生は、どこか近寄りがたい雰囲気をまとっていた。
先生が席を指示する。
「橋本は……ああ、佐藤の隣な」
「え、俺?」
軽く手を挙げたのは佐藤勝利。
人懐っこい笑顔で、自然と周りの中心にいるタイプ。
❤️「よろしくな、橋本」
🩷「……よろしく」
ぎこちない返事。
でも勝利は気にした様子もなく、すぐに話しかけてくる。
❤️「前どこいたの?部活とかやってた?」
距離の詰め方がうまい。
気づけば将生も、少しだけ肩の力が抜けていた。
——その様子を、じっと見ている視線があった。
「……へえ」
後ろの席。
腕を組んでいるのは菊池風磨。
クラスでも目立つ存在で、どこか余裕のある雰囲気。
だけどその目は、少しだけ鋭かった。
💜「もう仲良くなってんじゃん」
ぼそっと呟く。
その声に、近くの席の松島聡が振り向いた。
💚「風磨くん、気になるの?」
💜「別に」
即答。
でも視線は外さない。
前の席で、勝利と将生が話している。
楽しそうに笑う勝利と、少しだけ表情を緩める将生。
——なんか、気に食わない。
昼休み。
「橋本くん、一緒に食べよ?」
柔らかい声で誘ったのは松島聡。
人当たりが良くて、誰にでも優しいタイプ。
🩷「え、いいの?」
💚「もちろん」
そのやり取りに、横から声が入る。
❤️「じゃあ俺も」
勝利が当然のように加わる。
「は?」
さらに低い声。
風磨が立ち上がる。
💜「勝手に決めんなよ」
❤️「別にいいだろ、みんなで食えば」
💜「“みんな”って誰までだよ」
空気が少しだけ張り詰める。
その時——
「おもしろ」
教室の後ろから、くすっと笑う声。
振り向くと、窓際に座っていた寺西拓人がこっちを見ていた。
️🩵「もう始まってるじゃん」
💜「……何がだよ」
風磨が睨む。
でも寺西は気にせず、ゆっくり立ち上がる。
️🩵「橋本将生、だっけ」
名前を呼ばれて、将生が少しだけ目を向ける。
️🩵「人気者だね」
その言い方は、どこか含みがあった。
🩷「別に……」
将生が言いかけた時、
「ねえ」
今度は別の方向から声がする。
ドアのところに立っていたのは原嘉孝と猪俣周杜。
💛♡「その子が噂の転校生?」
興味津々って顔。
さらにその後ろから、静かに入ってきたのが篠塚大輝。
何も言わずに、ただ様子を見ている。
——増えた。
一気に、視線が集まる。
🩷「……なにこれ」
小さく呟く将生。
その一言に、何人かが笑った。
でも——
その場にいる全員が、同じことを思っていた。
ただの転校生じゃない。
この存在は、
“奪い合いになる”
って。
💜「……なあ橋本」
風磨が一歩近づく。
💜「誰と飯行くか、ちゃんと決めろよ」
軽い口調なのに、逃げ場がない。
勝利も、聡も、寺西も、他も。
全員が将生を見ている。
選ばせる気だ。
最初から。
将生の喉が、カラカラに乾く。
——この学校、普通じゃない。
そう気づいた時にはもう、
遅かった。