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昼休み。
恒は、袋からチョコバーを取り出して、椅子に座った。
ひろは、その様子を見て眉をひそめた。
「……それ昼ご飯?」
恒は、口にくわえたままうなずいた。
「うん。甘いし、カロリーあるし、いいかなって。」
ひろは、しばらく黙っていた。
そして、静かに立ち上がった。
「恒、それはダメ。」
恒は、チョコバーを持ったまま見上げた。
「え、なんで? 僕、ちゃんと食べてるよ?」
ひろは、恒の前に立って、少しだけ声を強めた。
「それ、“食べてる”じゃなくて“つないでる”だけ。
ご飯って、ちゃんと食べるもんでしょ。
昨日、僕に言ったよね? “たぶん”じゃなくて“ちゃんと”って。」
恒は、目をぱちぱちさせた。
「……あ、うん。言った。」
ひろは、腕を組んだままじっと見下ろしていた。
身長差が、いつもより効いている。
恒は、チョコバーをそっと机に置いた。
「ごめん。ちょっと甘く見てた。」
ひろは、ため息をついて言った。
「かわいい係が倒れたら、僕が困る。」
恒は、少し笑って言った。
「それ、怒ってるの? 心配してるの?」
「両方。」
恒は、立ち上がって言った。
「じゃあ、ちゃんと食べる。
ひろが怖いとき、身長差が効くから。」
ひろは、何も言わずに背を向けた。
でも、耳が少しだけ赤くなっていた。