テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🦈「……ごめんね」
こさめは泣きそうな顔のまま笑った。
すちは息を呑む。
その笑顔が、
嫌なほど綺麗だった。
🦈「こさめ、約束破っちゃう」
🍵「だめ……ってば」
すちは震える手で、
こさめの腕を掴む。
力なんてほとんど入ってない。
それでも必死だった。
🍵「やめて、お願いだから……!」
呼吸が乱れる。
酸素マスク越しに、
苦しそうな音が漏れる。
でもこさめは、
その手をそっと包み込んだ。
🦈「すっちー」
優しい声。
あまりにも優しくて、
すちは余計に怖くなる。
🦈「こさめね」
涙がぽろぽろ落ちる。
🦈「すちともっと一緒にいたい」
🍵「……っ」
🦈「水族館も行きたいし」
🦈「いっぱい笑ってほしいし」
🦈「生きててほしい」
掠れた声で、
こさめは笑う。
🦈「だからね」
震える指が、
認証へ触れた。
瞬間。
端末が眩く光る。
🍵「っ、こさめちゃん!!」
すちが叫ぶ。
でももう止まらない。
身体の奥を、
何かが大量に流れ出していく感覚。
息が詰まる。
視界が白く揺れる。
頭が痛い。
怖い。
怖いのに。
すちの呼吸が少しずつ落ち着いていくのが分かる。
青白かった顔に、
ほんの少し色が戻る。
それを見た瞬間。
こさめは涙を流しながら、
ふにゃりと笑った。
🦈「……よかったぁ」
🦈「‥こさめね、すちのことだいすきだよ」
でも次の瞬間。
頭の奥で、
ぶつん、と何かが切れた。
視界がぐらりと歪む。
すちは青ざめた顔で、
こさめを抱き寄せた。
体は驚くほどに軽く、簡単に動いた
🍵「こさめちゃん!? こさめちゃん!!」
焦った声。
必死な声。
こさめはぼんやりその顔を見る。
綺麗だな、と思った。
すごく大事な人。
なのに。
🦈「あれ……」
ぽつりと声が落ちる。
🦈「…誰?…なんで、泣いてるの?」
その瞬間。
すちの表情が、
絶望みたいに凍りついた。
41
817
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!