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#学生パロ
るな*
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328
#シクフォニBL
けいか🎼
43
けいか🎼
1,235
――中学一年生。
入学して、まだ一週間も経っていなかった。
新しい制服。
新しい教室。
新しい生活。
すちは、少しだけ気を引き締めていた。
(中学生になったんだから)
(今度は、ちゃんとしないと)
そう思っていた。
けれど、その日の放課後。
提出するはずだったプリントを、すちは家に持って帰ってきてしまった。
(……あ)
鞄の中からプリントを見つけた瞬間、すちの顔が青くなる。
提出期限は今日。
学校に戻ろうにも、もう下校時間を過ぎている。
(……どうしよう)
家に帰る。
玄関を開ける。
すち「ただいま」
父「遅かったな」
すち「……すみません」
父「何してた」
すち「学校です」
父「なら、なんでこんな時間なんだ」
すち「……」
答えられない。
父親が鞄を見る。
父「それ、何だ」
すち「……学校のプリントです」
父「提出するやつか?」
すち「……はい」
父「今日までじゃなかったのか?」
すちは黙った。
父「答えろ」
すち「……今日まででした」
一瞬、空気が止まる。
父「……お前、またか」
すち「……すみません」
父「中学生になったんだろ?」
すち「はい」
父「何が変わったんだ?」
すち「……」
父「小学生の頃から何もできてないじゃないか」
すち「……すみません」
父「謝るだけなら誰でもできる」
すち「……はい」
父「提出物くらい管理しろ」
すち「分かりました」
父「分かってないから忘れるんだろ」
すち「……」
父「中学生なんだから、自分のことくらい自分でやれ」
すち「……はい」
父「明日の朝、先生に自分で説明しろ」
すち「分かりました」
父親はそれだけ言って、別の部屋へ行った。
すちは、その場に立ったまま鞄を握っていた。
(……またやった)
(中学生になったのに)
(まぁ昔よりは優しいか…)
その夜。
すちは何度もプリントを見直した。
忘れないように。
鞄の一番上に入れる。
明日の朝、絶対に持っていく。
そう決めた。
――翌朝。
すち「行ってきます」
父「忘れ物は?」
すち「大丈夫です」
鞄を確認する。
プリントもある。
筆箱もある。
教科書もある。
(大丈夫)
学校へ向かった。
そして放課後。
家に帰る。
父「すち」
すち「はい」
父「制服、そのままにするな」
すち「あ、はい」
すちは急いで着替えに行く。
そのとき。
父親が机の上に置かれたものを見る。
父「……すち」
すち「はい?」
父「これ、何だ」
すちが振り返る。
そこにあったのは、学校から渡された大事な書類だった。
提出期限は――今日。
すちは固まった。
(……忘れた)
昨日、プリントを忘れたばかりだった。
それなのに。
今日も。
すち「……すみません」
父「昨日、何て言った?」
すち「……自分で管理します」
父「そうだよな?」
すち「……はい」
父「じゃあ、なんでまた忘れてる?」
すち「……」
父「お前、ふざけてるのか?」
すち「違います」
父「じゃあ何なんだ」
すち「……すみません」
父「またそれか」
すち「……」
父「昨日よりひどいじゃないか」
すち「……はい」
父「一日経って、また同じことやったんだぞ」
すち「……」
父「昨日言ったこと、何一つ覚えてないのか?」
すち「覚えてます」
父「覚えてるなら、なんでできない?」
すちは答えられなかった。
父「中学生になったんだから、自分でしっかりしろ」
すち「……はい」
父「いつまで俺が言わなきゃいけないんだ」
すち「……」
父「返事」
すち「はい……」
父「明日、絶対に持っていけ」
すち「分かりました」
父「今すぐ鞄に入れろ」
すち「はい」
すちは書類を鞄に入れる。
昨日よりも。
ずっと強く怒られた。
一度目なら、まだ失敗で済んだ。
でも二日続いた。
それが何よりきつかった。
自分でも分かっていた。
ちゃんとしようと思っていた。
忘れないようにしようと思っていた。
それなのに、できなかった。
部屋に戻ったすちは、鞄を開ける。
プリント。
書類。
教科書。
筆箱。
一つずつ確認する。
(……明日は大丈夫)
(絶対に忘れない)
そう何度も自分に言い聞かせながら、鞄を閉じた。
コメント
1件
寺島あおいです🌷 第12話、読み終わりました。 すちくんが「ちゃんとしよう」と思えば思うほど、できない自分にぶつかってしまう感じ、読んでいて胸が苦しくなりました。「覚えてるならなんでできないんだ」という父親の言葉が重くて…すちくんがそれに答えられない場面、すごくリアルでした。ラストの「絶対に忘れない」という小さな決意が、切なくもあたたかくて、次が気になります。碧さんの心情描写、大好きです。