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イルミネーションの光が瞬く中、悠真の瞳だけが真っ直ぐに咲を映していた。
「……咲ちゃん」
名前を呼ぶ声は、今までで一番やさしくて真剣だった。
「俺は――君のことが好きだ」
夜の冷たい空気が、一瞬で熱を帯びる。
咲は何も言えずに立ち尽くし、胸の奥がじんじんと疼いた。
「初めて会ったときから、ずっと“可愛い妹”だと思ってた。……でも、気づいたらもう、それじゃ片づけられなくなってたんだ」
悠真の声は少し震えていた。
けれど、その瞳は一切揺れていなかった。
「もし俺を男として見られないなら、それでもいい。……でも、今だけは正直に言わせてほしかった」
咲の視界がにじみ、頬を一筋の涙が伝った。