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涙を拭うこともできず、咲はただ悠真を見上げた。
胸の奥に溜め込んできた想いが、今にも溢れそうで。
「……私も、です」
震える声で、それでもまっすぐに言葉を返した。
「ずっと、悠真さんのことが……好きでした」
言ってしまった瞬間、視界がぼやけて、頬が熱くなる。
けれど、不思議と怖くはなかった。
悠真の瞳が大きく見開かれ、次の瞬間にはふっと笑みが零れた。
「……やっと言ってくれた」
胸の鼓動が重なり合うのを感じる。
世界が光に包まれて、ふたりだけの時間が流れていくようだった。