テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
四 白い世界の終わりに ※本編戻ります!!
真っ白な部屋に閉じ込められたユキヤと節子
ユキヤが何度見渡しても部屋は辺り一面汚れひとつ無いただの白。
「えっ 何なの この部屋…」
と驚いたような素振りを見せる
一方で相方の節子は艶々の青髪を揺らしながら後ろを向き頬に手を添え小首を傾げる
「あら小根咲くんどこ行ったのかしら」
「ここだよ」
ユキヤの少しだけムスッとした声が響き渡る。
「あら 気が付かなかったわ 部屋も白いし貴方も真っ白なんだもの まるで白無垢みたいね」
「白無垢…」
本人の複雑な思いとは裏腹に、節子の言う通り確かにユキヤの今日の姿はこの部屋と完全に同化していた
ただでさえ元々の肌も真っ白なのに服まで白いニット 白い長ズボン 白いスニーカー。
この部屋も真っ白 ユキヤも真っ白
ユキヤは硝子細工のネックレスを揺らしながら節子の方へと歩いていき目を逸らしながらどこかぶっきらぼうに尋ねる
「…ハグ…どっちからやる?」
節子はそうねと考えどっちでもいいと答えた
ユキヤは
「……ん」
と頬を小さく膨らませながらそっぽを向いて手を広げる
節子はあら珍しいと漏らし足を踏み出し、ユキヤを抱き上げた
「……は!?」
ユキヤは頬を真っ赤にして足をバタバタと激しく動かす
「離せ!!」
「あらやだごめんなさい この前親戚の子供遊びに来たときもこんな感じでやってたから まだ余韻残ってたのね」
と何事もなかったかのように笑いトントンとユキヤの背中を叩く
ユキヤは何それ…と小さく唸り恥ずかしさのあまり目すらマトモに合わせられなくなっていた。
(…もう…早く扉開いてよ…!早く…でも…もう少しだけ…)
開いてくれという年相応の必死の懇願とまだ離れたくないというユキヤの心の中に潜む幼さが歪にぶつかり合う
ユキヤは意を決して節子の袖を掴もうとする
しかし節子の背中越しに重い音がして扉がゆっくりと開いた。
節子は名残惜しさすらないままユキヤをストンと下ろし
「開いたわよ!行きましょう!」
と指をさす ユキヤの口から「は…?」と乾いた空気が漏れ 直後、屈辱と寂しさが混ざり合い一気に頭に血が昇る。
「待って…」
ユキヤの低く掠れた声で節子は振り向く。
「どうしたのユキヤく…」
ユキヤは節子の腕を掴み顔を近付け、強引に唇を奪った。
「…えっ ユキヤく…」
「されるがままとか嫌だから」
ユキヤはそう強気な口調で告げ首筋まで真っ赤にして立ち去っていった。
「えっ…?」
節子は困惑を隠せないままわたわたとユキヤを追いかけていった。
コメント
1件
澪さんの第7話、めちゃくちゃ良かったです!白一色の空間でユキヤも白に溶けちゃってる描写、すごく映像が浮かびました。節子に抱き上げられてバタバタ抗議するユキヤの可愛さと、そのあとの「されるがままは嫌」って強引に奪うギャップに胸がきゅんとしました。開いた扉にまだ離れたくない気持ちがぶつかる心理描写も繊細で、一瞬で世界に引き込まれました。次が気になります…!